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2011年07月28日 前へ 前へ次へ 次へ

節電が水を差す分散化の流れ

 3年近く前、兵庫県の井戸敏三知事が「関東大震災が起きればチャンス」と発言して波紋を広げた。とりわけ東京都の石原慎太郎知事は猛反発したが、東京一極集中に対する警告として支持する意見も多かった▼東日本大震災による首都圏の被害は限定的だったが、大地震を現実のリスクと考えざるを得なくなり、東京が支えている行政機能の分散が必要なことは石原知事も認めた。産業界は節電対策もあり、生産拠点を西日本に移す動きが始まった▼そこに水を差したのが、菅直人首相の脱原発発言。さらに関西電力大飯原発のトラブルなどで関電管内でも節電要請が行われた。ただ、その目標は関電、政府、自治体でバラバラ。これでは生産計画の策定も難しくなるだろう▼東京一極集中は林立する高層ビルに実感する。大企業で地方に本社を置いているケースは稀になり、人材も一極集中につながる▼いま、産業界はイノベーション創出に向け模索している。その情報交流の場となっているのが、東京ビッグサイトを中心に開催される展示会。最新技術・サービスに対する関心は高く、減少したアジアからの来場者も戻りつつある。日本もまだまだ見捨てたものではないと一安心するが、多極化に向けて少しだけ動きだした流れが電力不足によって逆流しないことを望みたい。


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