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2011年06月28日 前へ 前へ次へ 次へ

「明日への対話」 連載7 持続的ものづくりと化学産業

28日対談.jpg.jpg 橘川 事業の入れ替えが進んでますね。
 小林 当社は2011年3月期で終了した3カ年の中期経営計画で、既存事業のうちおよそ3200億円規模を減らしました。一方、三菱レイヨンや日本合成化学を連結化することなどで、6200億円以上増やしました。減らした3200億円の事業は170億円レベルの赤字を作っていた事業です。一方、2会社の連結化などで利益は500億円以上増やしました。
 橘川 事業撤退はエネルギーが必要では。
 小林 コモディティのなかでもスチレンモノマー、ポリスチレン、ABS樹脂、塩化ビニルと、エチレンベースの大型製品を相当止めました。塩ビとスチレンを止めるだけでもそれは大騒ぎでした。また、黒崎の病院もクローズしましたし、三菱化学生命科学研究所という38年続いた研究所もクローズしました。やるしかないものはやるけど、意味のないものは止めることですよ。これはもう明快です。社長をやる限り意味のないことはやらない。信念さえあればできますよ。
 橘川 明快ですね。
 小林 生命科学研究所のケースでは、40年前だったら意味があった。でも現在は理化学研究所で年間700億円、産業技術総合研究所では1000億円近くもバイオサイエンスに投資している。あるいはグローバルにはバイオで5000億円の研究投資をしている企業あるいは公的機関がある。当社グループには田辺三菱製薬の研究所もありますし、そのなかで年間30億円程度の基礎研究をする会社を持つなんて、民間企業ではあり得ないですよね。
 橘川 ホールディング制のなかで、ポートフォーリオの整理の仕方をどう考えますか。
 小林 やはり自分の強いところに集中するわけですが、当社の場合、今までの歴史からして多方面に展開しているわけです。いまだにコークスやるのかっていわれます。だけど儲かっているのは全部残す。だから、ポートフォーリオの基本は、儲かっているものは全部やるということです。
 橘川 4象限でポートフォーリオを管理されていますね。
 小林 創造事業、成長事業、基盤・中堅事業、再編・再構築事業の4象限管理にはこだわっています。それを時間軸で回していく。こういうかたちで整理していけば、事業の位置付けがはっきりしますから。今、社会が企業に何を要請しているのか、10年先をみて社会から何を要請されているのかという基本のビューポイントになるんじゃないかと思います。ということは利益が出ているかどうかですよ。
      (つづく)


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