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2014年11月26日 前へ 前へ次へ 次へ

石化協セミナー "循環炭素化学"でパネル討論会

 石油化学に代わる新たな化学を表す「循環炭素社会」。石油化学工業協会(石化協)は循環炭素化学をテーマにこのほど開いたセミナーでパネル討論会を行った。一橋大学大学院の橘川武郎教授が座長を務め、パネリストには日本経済研究所の鍋山徹専務理事、経済産業省の茂木正化学課長、法政大学の山?友紀教授、石油化学工業協会の浅野敏雄会長(旭化成社長)が登壇。今後の循環炭素化学の課題や方向性などについて議論が交わされた。
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 昨年度、石油化学に代わる新たなネーミングキャンペーンを実施した石化協の浅野会長は、「石油化学という言葉では、われわれの活動が制限されている」との問題意識があったと説明。最優秀賞に決定した"循環炭素化学"は「経済合理性だけでなく有限な資源を循環させ生産活動している点を強調しており、世界に発信していきたい」と語った。
 循環炭素化学における鍵として、パネリストは共通してイノベーションをあげた。浅野会長は「化学企業は触媒開発、プロセス開発を進めているが、成果の領域がある程度限られてきている。"循環炭素"の実現には、従来の工業的なものを超えた抜本的なイノベーションが必要で、先を見据えて時間をかけてやっていかなければいけない」と述べた。
 茂木課長は「汎用的な石油化学だけでなく、誘導品や加工、サービスのバリューチェーン全体でイノベーションを結集し、どこに付加価値を創出するか、視野を広げて見直したい」との姿勢を示した。
 イノベーションのキーワードとして鍋島専務は「20世紀では衣食住であったの対して、今世紀は医(ヘルスケア)・職(多様な働き方)・柔(バイオ光合成など)」との考えを示し、山崎教授は、「素粒子論や原子レベルからのイノベーションも必要」と述べた。
 議論は、そのイノベーションをどのように生み出し循環炭素を実現するかに発展。
 浅野会長は、「二酸化炭素(CO2)の有効利用が課題であり、化学だけでなく、生物、物理、無機化学などとのコミュニケーションを通じて総合的に挑戦する」ことが重要であると強調した。鍋山専務も「異業種も含めて一定方向にまとまらないと解けない難問」と語った。茂木課長は「リサイクルを遂行するなかで、『回収』などの社会的システムをイノベーションにどう組み込んでいくか考えていかなければならない」と述べた。
 パネリストらは、循環炭素社会に向けては業界の意識・考えの変化も求められると強調。鍋山専務は「とくに未来を担う若い世代の多くが循環炭素化学を考えれば、それが業界の競争力につながる」とした。茂木課長も、「化学に関わる人の思考を変化させること」の重要性に言及し、浅野会長も「マインドも含めて業界一体となって循環炭素にまい進していきたい」と意気込みを語った。
 山崎教授は教育者の立場から「宇宙・地球の歴史のなかで、炭素がどこからきて、どのように化けているのか、など面白さを共有していきたい」と述べた。


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