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2014年11月12日 前へ 前へ次へ 次へ

化繊8社の14年4〜9月期業績 通期は全社が営業増益見通し

高機能繊維好調

 化繊大手8社の2014年4〜9月期決算が出揃い、東洋紡を除く7社が営業増益だった。通期業績は、帝人とユニチカが事業構造改革にともなう特別損失を計上し最終赤字となる予想だが、営業利益段階では全社が増益を見込む(三菱レイヨンは予想非公表)。堅調な業績をけん引するのは炭素繊維や産業用の高機能繊維。エンプラもナイロンやPBTが自動車向けに海外で伸び、原料高を補った。フィルムは工業用で販売が増えたが、競合激化と市況低下に各社苦戦したようだ。
 東レは4〜9月期として純利益が過去最高。通期は同社初の売上高2兆円超えを予想し、経常利益と純利益も上方修正した。稼ぎ頭は繊維と炭素繊維複合材料の両事業。繊維は自動車エアバッグ用基布など産業用途が堅調で、炭素繊維は航空機向けをはじめとする高機能品のウェートが高まり営業利益率が向上。下期も自動車用や圧縮天然ガス容器用などが伸びる。
 帝人は通期、営業益、経常益とも増益を見込むが、事業構造改革にともなう特別損失422億円を計上したため、最終損益は赤字となる。4〜9月期は炭素繊維やアラミド繊維の高機能繊維が本格復調し、航空機や自動車、一般産業分野向けで伸長。在宅医療サービスが好調なヘルスケア事業は3割の増益で、グループ収益を支える。フィルム、樹脂の電子材料・化成品は赤字幅が縮小した。
 三菱レイヨンの4〜9月期営業益は前期比3倍で、通期も大幅な増益となるもよう。MMA事業はアジア市況上昇や米国工場の稼動安定化で黒字転換。下期もタイトな需給が予想され、好業績が期待できる。炭素繊維事業はBMW向けプレカーサーや天然ガスタンク向け炭素繊維が伸びている。
 旭化成の繊維事業は長繊維セルロース不織布やポリウレタン弾性繊維が堅調。スパンボンドなどの原燃料高騰や、再生セルロース繊維の新設備導入にともなう償却費増を吸収し、通期も増収増益を予想する。再生セルロース繊維増産の収益貢献は来年度からを見込む。
 クラレは4〜9月、売上高から純利益まで全て前年同期を上回った。デュポンの事業買収関連費用など特別損失28億円を計上したが、EVOH樹脂や水溶性ポバールフィルムの拡販などでこれを吸収。今期、買収したデュポン事業の利益はトントンを見込む。
 東洋紡の4〜9月期は、フィルム事業で新製品の営業費用や新設備への生産移管費が嵩み、営業減益。PETボトル用樹脂事業撤退にともなう減損はほぼ終え、下期はフィルムも回復する見通し。エラストマー系クッション材や産業用スパンボンドの拡販で通期増益を見込むが、上期未達分やエアバッグ基布原料樹脂のコスト増をカバーしきれず予想を下方修正した。
 ユニチカは7〜9月期に構造改革費用201億円など特損236億円を計上、通期の純損益は赤字となるが、営業利益は18%増を予想。ポリエステル短繊維の繊維事業が黒字転換しており、海外でのナイロンフィルムや産業用ポリエステルスパンボンドの拡販を見込む。
 セーレンの4〜9月期は、シート材などを手掛ける車輛資材事業が2ケタの増収増益。米国や中国など海外でエアバッグ基布を含め好調に推移した。全体の通期業績も2ケタ増益を見込む。エレクトロニクス事業では高性能導電糸が、メディカルは人工血管基材が好調。

【表説明】化繊8社14年4〜9月期業績


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