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無限の化学〜先進社会への貢献〜(最終回)【エレクトロニクス】
高度化ニーズに応え、ともに成長
化学製品とエレクトロニクス産業は切っても切れない関係にある。パソコン、液晶テレビ、スマートフォンなどに使われている液晶パネルは化学製品の塊ともいわれ、リチウムイオン電池をはじめとした電池にも化学製品が数多く使用されている。このエレクトロニクス分野において日本の化学製品は世界で圧倒的な地位を築き、収益事業として企業の業績に貢献している。
スマートフォンなどに欠かせないタッチパネルの材料である透明導電性フィルム。この電極材料として使用されている代表的なものがITO(酸化インジウムスズ)で、ディスプレイ製造では確立された技術だ。
最近では、透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に微細な銀線パターンを形成した導電性フィルムも登場し、曲げると割れやすいといったITOの課題を解消したフィルムの利用が検討されている。曲げられる材料を使用できるようになれば、曲面ディスプレイのほか、枠がないベゼルレスのスマートフォンが実現できる。
液晶ディスプレイの偏光板を保護するTAC(トリアセテートセルロース)フィルムは、スマートフォンやタブレットパソコンへの利用では薄化が要求され、20〜25マイクロメートルという極薄フィルムの普及が見込まれている。また、日差しの中でディスプレイを見やすくするために使用される光学弾性樹脂。液晶ディスプレイの液晶画面表示部のカバー板と液晶モジュールの間に、屈折率を制御した光学特性を持つ同材料を充填している。
モスアイ(蛾の目)タイプの反射防止フィルムの普及も進展している。フィルム表面に鋭角なナノ構造体突起物を規則的に配列したフィルムで、タッチパネルの裏面や液晶ディスプレイの表面で反射防止を行う。
近年、注目を集めるプリンテッドエレクトロニクスでは電子ペーパーやスマートフォン、液晶テレビのほか、有機ELディスプレイ、色素増感・有機薄膜太陽電池パネル、電気2重層キャパシターなどが有望なアプリケーションとなる。体に装着して使用するウエアラブル端末も関心を集め、情報端末機器は近い将来、眼鏡型やコンタクト型が登場する見込みだ。
健康への関心が高まるなか、電子部品メーカーもメディカル・ライフサイエンス関連分野を新たな市場として捉えている。電子部品メーカーのケミカルからのアプローチの一つとしてマイクロ流路が挙げられる。これはこれまで各社が蓄積してきた微細加工技術を活用してミクロン単位の微細な流路を作製、ここに血液や試薬などを流しその解析を行うというもの。これには多くの半導体、電子部品メーカーが開発に取り組んでいる。
今年のノーベル物理学賞が日本人3氏に贈られる。青色LEDの開発、実用化への貢献が評価されたものであり、また一つ日本の高い技術力を世界で証明した。この力を今後、どう伸ばし、どう生かしていくか。これは"素材力"を追求してきた化学産業に課せられた課題でもあり、永遠のテーマである。
(おわり)
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この連載は、「化学の日」に合わせて本紙が発行した小冊子「化学に染まろう」をベースにまとめました。
(了)
【写真説明】ウエアラブル端末の普及に化学はどこまで貢献できるか(エプソンの両眼式スマートグラス)