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2014年10月24日 前へ 前へ次へ 次へ

「化学の日」 化学の魅力、可能性アピール

都内で相次ぎイベント
 「化学の日」の23日,記念イベントが相次ぎ催された。共同提案団体である日本化学会、化学工学会、新化学技術推進協会、日本化学工業協会で組織される「夢・化学-21」委員会などは「化学週間」イベントの一環として、未来を担う若い世代を対象にした産学トップによる特別授業を都内の開成学園で開催。化学工業日報社は都内で開いた記念フォーラムで、化学と化学産業の未来を多角的に議論、情報発信した。今年は「化学の日」「化学週間」の初年度。あらゆる産業の基盤となり、人々の快適な暮らしを支える化学について、当日は産学の枠を越えて有用性や可能性などが確認された。

 化学工業日報社は同日午後、都内の経団連ホールで記念ケミカルフォーラムを開催。「化学の日」「化学週間」の制定に尽力した日本化学会前会長で理化学研究所の玉尾皓平研究顧問は「セントラルサイエンスとして化学は重要なポジションを占める。ただ、物理学や医学・生理学と違って恩恵を身近に感じにくい。毎年、化学の日は化学に理解を深める機会にしてほしい」とあいさつした。
 産業会からは日本化学工業協会前会長で昭和電工の高橋恭平会長があいさつ。「日本の化学産業は素材や部材、部品の提供を通じてあらゆる産業を下支えし、高い経済的価値を生み出してきた。地球環境など世界的課題に解決策を導き出すのも化学だ。いまこそ先頭にたって役割を果たすべきだ」と強調した。
 基調講演は「ナンバーワン産業としての化学」と題して東京理科大学の伊丹敬之教授が登壇。1985年に国内産業で経済的な付加価値シェアが3位だった化学は、21世紀初頭にはトップに浮上したと紹介。また、「技術のもたらしうる製品の幅や可能性の豊かさゆえ、資源配分が分散したり揺れ動く懸念もある」と指摘し、「コアの設定が化学企業の成長を左右する」と語った。
 パネルディスカッションには大手化学企業トップが登壇。住友化学の十倉雅和社長は、グローバル競争を迎え撃つ大型の事業戦略を21世紀初めに策定し「石油化学ではシンガポール、サウジに進出し、医薬品でも買収を手掛け海外基盤を充実させてきた」と話した。三井化学の淡輪敏社長は「自動車などのモビリティ、ヘルスケア領域で顧客価値の創造を提供し、収益力の強化を図る」と強調した。
 東レの日覺昭廣社長は「全ての製品の元となる素材には社会を変える力がある」とし、「中長期的視点での研究開発の実行がイノベーション創出、成長の持続性につながる」と強調。JSRの小柴満信社長は、顧客志向データなどを分析し、付加価値の急激な移動をもたらしうる「デジタリゼーション化の進行も意識する必要がある」と独自の見解を述べた。
 ノーベル化学賞受賞者の根岸英一パデュー大学特別教授が「化学の魅力と可能性」、日本化学工業協会の小林喜光会長(三菱ケミカルホールディングス社長)が「地球と共存する経営」と題する特別講演も行われた。

【写真説明】「記念ケミカルフォーラム」のパネルディスカッションでは大手化学企業トップが討論した


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