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歯止めが効かない国内生産能力低下
日本の製造業の国内生産能力は、前年同月比で46カ月連続低下を続けている。「能力増強」投資は直近のピークである2007年から右肩下がりで減少、国内投資の主力は「維持・補修」「合理化・省力化」に移っている。国内市場の成熟という潮流には逆らえず、国内生産能力の反転上昇は容易ではない。
経済産業省は鉱工業生産指数の確報発表時に、製造工業の稼働率指数と生産能力指数を公表する。7月の稼働率指数は98・1、前月比0・8%の低下で、4カ月連続で落ち込んだ。一方、生産指数は97・0、前月比0・4%の上昇となった。速報に比較して0・2%上方修正されたものの、消費増税後の反動減が予想以上に長期化している。稼働率が低下しているのは輸送機械、電気機械、情報通信機械など4業種。残り10業種は上昇しているが、製造業を引っ張る主力産業の低迷が稼働率指数を引き下げた。
能力指数は95・0、前月比0・1%、2カ月連続低下だが、前年同月比は4年近く落ち込みが続く。この指数は過去最低水準で、ここ数年の各種調査からも予想された結果である。日本政策投資銀行の設備投資計画調査によると、「能力増強」の投資比率はリーマン・ショック直前の07年に43%まで上昇したが、その後は低下が続き、14年度計画では21%まで落ち込んだ。これに対して「維持・補修」比率は07年の17%から27%に上昇した。「合理化・省力化」も漸増傾向だ。
鉱工業生産の基調判断は2カ月連続で「弱含みで推移」としており、国内需要の低迷が続き、生産能力低下によって円安下でも輸出拡大につながらない。この間の能力低下は雇用削減に対応したものと分析している。経産省では設備能力が上昇に転じるのは、15年4-6月期になると推計しており、製造業の設備投資計画に力強さに欠けることとも一致する。
企業は国内市場の成熟に対処して、成長する海外投資を拡充している。とくに円高が進行した09年を底に海外投資比率は急上昇し、12年の比率は25%を超えた。この傾向に歯止めがかかっておらず、国内生産能力の削減で輸出が伸びないばかりか、今年1-3月期のように消費増税を控えて需要が急増すると、輸入が増加するという構造が定着しつつある。
成長市場に投資をすることは企業の合理的判断だが、日本はバブル経済崩壊後、ほぼ一貫して生産能力の低下傾向が続く。これに対して米国は一時期を除いて継続的に上昇している。国内生産回帰に向けて、政府も企業も取り組むべき課題が多いのではないか。