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2014年08月25日 前へ 前へ次へ 次へ

旭化成ファーマ 堀一良新社長に聞く

 旭化成ファーマは、4月から、堀一良前取締役兼専務執行役員が新社長として指揮を執っている。浅野敏雄前社長が旭化成本体の社長に就任したのにともなう昇格。グループ規模でヘルスケア領域の拡大を進めるなか、同領域の中核事業会社である旭化成ファーマの今後の方向性などを聞いた。

※まず社長就任の感想を
 これまで全国の主要な医療機関、医薬品卸に就任のあいさつ回りをしてきたが、当社の骨粗鬆症治療薬「テリボン」と血液凝固阻止剤「リコモジュリン」が医療現場から非常に高い評価を受けている。当社に対する期待の高さをあらためて感じている。
※経営目標は
 2015年度を最終年度とする現在の中期経営計画では売上高1000億円の目標を掲げている。昨年度の売上高が880億円で、あともう一息というところだ。目標に向かってみんなで頑張ろうと呼び掛けている。
※中長期の売り上げ規模目指は
 リコモジュリンは、敗血症を適応症とする海外フェーズ3(P3)試験が進行中だ。2019〜20年の承認取得を計画しており、ピーク時として想定している25年には少なくとも1000億円規模の売り上げになると見込んでいる。その他、テリボンの国内売り上げや、現在国内P3のステージにある導入品などの売り上げをすべて合算すれば、25年に現在の約2倍程度となる1500〜2000億円規模の売り上げを計画している。現在、次期中計の策定に向け、今からどういう手を打つべきか検討している段階だ。
※リコモジュリンの海外治験の進捗と海外販売の考え方は
 現在、1本目のP3の患者登録が登山でいうところの3合目あたりにきている。今後も治験実施国を数カ国増やし、治験をさらに加速させるつもりだ。当社は中国以外の海外での販売インフラは持っていない。リコモジュリンの海外展開は他社へ販売委託することになるだろう。ただ、状況によっては欧米市場での経験を積むために、限定した地域で、パートナーと共同販売していく可能性も検討している。
※他の開発パイプラインは
 年1回投与の骨粗鬆症治療薬「AK-156注」は国内P3が当初の計画よりも半年前倒しで終了できる見込みだ。2015年に申請、16年の上市を目指している。手指の関節が動かなくなるデュピュイトラン拘縮を治療する酵素製剤「ザイアフレックス」は先日、国内承認申請しており、15年には上市できると期待している。
※開発テーマなど中長期的展望について
 開発領域としては、今後もロコモティブシンドローム(運動器症候群)分野に注力していく。骨粗鬆症は既存薬で良いものが出てきており、変形性関節症、関節リウマチ、慢性疼痛などにターゲットを絞り、自社開発や早期開発品に導入を積極的に行っていく。あとはリコモジュリンを軸とした救命救急領域と泌尿器領域でライセンス導入より製品ラインを拡充していきたい。これら得意とする領域をさらに強化することで事業を伸ばしていく。

 <横顔>約30年間を医薬品の研究開発に携わった。これまで一番印象に残っている仕事は腫瘍壊死因子(TNFα)を用いた抗がん剤開発。残念ながら医薬品にすることはできなかったが、ジェネンテックなど世界のバイオ企業と開発にしのぎを削った。趣味はウオーキング。週末に2、3時間歩き、心身ともにリフレッシュする。
 〔堀一良氏=ほり・かずよし〕78年(昭和53年)東北大学大学院農学研究科修士課程修了、同年旭化成工業(現旭化成)入社。07年旭化成ファーマ執行役員、10年取締役兼常務執行役員、12年取締役兼専務執行役員。東京都出身、60歳。


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