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2014年07月17日 前へ 前へ次へ 次へ

原油とLNGの価格連動是正を急げ

 国際原油価格はバーレル当たり100ドル台後半の高い水準を維持しながら、安定的に推移している。当面の最大のリスク要因はイラク情勢だが、リビアの輸出再開やシェール革命が進展する米国の輸出増加も見込める。問題は石油価格高止まりが、輸入LNG(液化天然ガス)価格の上昇に直結するため、経済活動に打撃を与えかねないことだ。
 日本エネルギー経済研究所は、最新の国際石油・天然ガス・石炭市場展望を公表した。過去2年間の原油相場は、歴史的には高い水準が継続した。今年7-12月もブレント110ドル前後、ドバイ108ドル前後、WTI105ドル前後を維持すると予想。2015年の年間見通しは、リビアの輸出再開などで今年7-12月期に比較して5ドル程度低下するとした。
 原油供給の最大のリスク要因はイラク情勢だ。足元の生産、輸出には影響は出ていないが、スンニ派過激組織「イスラム国」とイラク政府の軍事衝突が激化することになれば、リビアやサウジアラビアの増産や米国からの石油輸出が増加しても、原油価格の上振れ要因となる。
 天然ガス情勢の地殻変動も起きている。エネ研では割高感の強まる欧州火力発電のガス離れが進んでいるものの、世界全体では来年にかけて需要の増加基調が続くとした。供給面では複数のLNGプロジェクトの稼働が見込める。中国・ロシア間で締結した天然ガス供給計画は、中国の需給緩和に役立つのみならず、東アジア向けの安定供給にも寄与すると指摘する。
 ただ、日本を含むアジア向けLNG価格は原油価格リンクで、プレミアムの解消は一向に進んでいない。天然ガス以上に原油を取り巻く情勢は不透明なだけに、原油価格次第でLNG価格急騰という不安を抱えている。アジア市場の需給を反映した価格体系の構築、LNG取引の流動性向上の取り組みを加速しなくてはならない。
 石炭情勢では、インドやASEANの石炭市場の伸びはあるものの、中国需要の伸び率は鈍化する。価格は世界的には供給過剰が続き、弱含みで推移してきた。先行き、需要に見合った供給によって価格の持ち直しが予想されるものの、引き続き価格競争力のあるエネルギーの地位を維持するだろう。
 円安定着もあって、石油、LNGの輸入価格上昇は回復に転じた日本経済にとって無視できない影響がある。原発稼働停止が長期化するなかで電力コストの上昇は、国民生活に影を落としている。LNG価格高止まりの一因にも原発停止があり、これからの価格にも影響する。柔軟、かつ俯瞰的なエネルギー政策を望みたい。


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