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2014年07月16日 前へ 前へ次へ 次へ

美濃加茂市の岸義人賞に期待する

 市長の不当勾留問題に揺れる岐阜県の美濃加茂市に明るい話題だ。市ゆかりの岸義人ハーバード大名誉教授の名を冠した賞が、市の児童生徒科学作品展に新設されることが決まった。岸さんは幼少期から高校まで現美濃加茂市で過ごし、名古屋大に進んだ▼主要な業績は、海洋産天然物の全合成を通じた有機合成・天然物化学への貢献で、ノーベル賞候補のひとりに挙げられている。神経毒、抗腫瘍活性天然物、発がんプロモーターなど多数の天然物の全合成を達成している。とくに腔腸動物毒「パリトキシン」の化学合成とその構造解明は人類最難関の研究の一つだったという▼美濃加茂市は市制施行60周年。その記念事業として、市内の児童、生徒が夏休みに取り組む科学作品から岸義人賞を選考する。市教委は、若い世代が科学分野に興味を持ち、岸さんの後に続く人が出てくることを期待している▼国際化学オリンピックが来週21日から10日間、ベトナムのハノイで開かれる。8月最初の土日は毎年恒例の夢・化学―21『夏休み子ども化学実験ショー』だ。そして、10月23日は「化学の日」で、その日を含む一週間は「化学の週」。産学官手を携えての活動はますます盛んになっている▼これに岸賞創設のような地方の取り組みが絡み合ってくれば、日本の化学啓発活動の展望は明るい。


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