2014年6月の記事を読む
2014年5月の記事を読む
2014年4月の記事を読む
2014年3月の記事を読む
2014年2月の記事を読む
2014年1月の記事を読む
2013年12月の記事を読む
2013年11月の記事を読む
2013年10月の記事を読む
2013年9月の記事を読む
2013年8月の記事を読む
2013年7月の記事を読む
2013年6月の記事を読む
2013年5月の記事を読む
2013年4月の記事を読む
2013年3月の記事を読む
2013年2月の記事を読む
2013年1月の記事を読む
2012年12月の記事を読む
2012年11月の記事を読む
2012年10月の記事を読む
2012年9月の記事を読む
2012年8月の記事を読む
2012年7月の記事を読む
2012年6月の記事を読む
2012年5月の記事を読む
2012年4月の記事を読む
2012年3月の記事を読む
2012年2月の記事を読む
2012年1月の記事を読む
2011年12月の記事を読む
2011年11月の記事を読む
2011年10月の記事を読む
2011年9月の記事を読む
2011年8月の記事を読む
2011年7月の記事を読む
2011年6月の記事を読む
2011年5月の記事を読む
2011年4月の記事を読む
2011年3月の記事を読む
2011年2月の記事を読む
2011年1月の記事を読む
2010年12月の記事を読む
橋渡し機能を強化する産業技術政策
国際競争力の強化や経済成長の実現に向けて、日本ほど革新的技術によるイノベーション力の強化が求められている国はないだろう。「技術で勝ってビジネスで負ける」と指摘されて久しいが、いまや産業技術でも世界のトップランナーの地位を失いつつある。産業構造審議会産業技術環境分科会では、これからの産業技術政策として技術シーズを事業化に結び付ける国主導の「橋渡し」機能の強化を打ち出した。
日本は技術開発全般で課題が山積している。基礎研究では、学術論文で量・質ともに国際的地位が低下している。大学の理工系学部進学者は減少傾向から脱し切れず、教育内容も不十分としてイノベーションを担う人材基盤の弱体化が指摘され、将来に影を落とす。
企業の研究開発では、国際競争の激化や投資家からの短期成果要請から腰を据えた中長期的な取り組みが減少している。新技術による挑戦的な事業化には消極姿勢が目立つ。かつて規模を大きい技術開発で重要な役割を果たしてきた国主導のプロジェクトは、知財などで使い勝手の悪さもあって参加を避ける傾向が強い。戦略的な技術開発は単独で進めがちで、海外で重要性が増しているオープンイノベーションの取り組みでは試行錯誤が続いている。
経産省はこのような問題意識に基づいて、革新的技術シーズを事業につなげる橋渡し機能の中核拠点を産業技術総合研究所が担うべきという戦略を示した。産総研は企業からの研究受託を増やすとともに、大学を含めた連携を強化して世界的な産官学連携拠点を目指す。
このために産総研には、企業の将来ニーズを予測した研究テーマを設定する目的基礎研究を強化する取り組みを求めるとともに、対応した研究者の評価制度見直しなどで意識改革を迫る。同時に企業が利用しやすい研究開発の共通基盤施設の拡充、イノベーション人材の育成と流動化も支援する。
さらに経産省傘下でファンディング機能を担当する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)には、優れた技術シーズを創出する仕組みの構築を求めた。多様で独創的な基礎研究を可能とする研究への資金配分、大学などの意識改革による異分野融合の推進を主導する。
産構審の提言ということもあり、産総研とNEDOのミッションを強調した内容になっている。縦割り行政の弊害を指摘する声もありそうだが、政府系の研究機関やファンディング機関の意識改革を迫るという狙いもあろう。国を挙げたイノベーション戦略に貢献するために広範な議論を期待したい。