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化学も影響受けた消費増税後の生産
消費増税後の動向が注目されていた4月の鉱工業生産は、事前予測を下回った。予測は季節調整済みで前月比1・4%の低下だったが、輸送機械工業、電子部品・デバイス工業、化学工業(医薬品を除く)などの不振で2・5%の低下となった。経済産業省の基調判断は「総じてみれば、生産は横ばい傾向」に下方修正した。さきに発表した商業統計なども含めて、増税による仮需の反動が比較的大きいことは否定できないものの、想定の範囲内だろう。ただ、内外の経済環境は不透明感が漂っているだけに、市場動向を見極めた生産が必要となろう。
消費増税後の反動は、駆け込み需要が発生しやすい最終商品で大きいことが予想できた。化学では美容液、合成洗剤、化粧水などの季調済み前月比生産が大きく落ち込んだ。素材系も落ち込みが目立ったが、最終商品ほどは減少していない。
化学工業の生産指数(2010年=100)は95・0、前月比3・3%低下した。出荷は90・6、同7・9%低下、在庫は106・1、同0・9%の上昇となった。プラスチック製品工業の生産・出荷・在庫は、100・4、2・7%の低下、97・5、5・7%の低下、106・4、2・8%の上昇となった。消費増税による仮需は最終商品だけでなく、原料や中間材料産業にも影を落とし、生産は停滞して在庫が積み上がった。
一方で前年同月比生産は、化学工業が8カ月連続プラスで1・0%増、プラスチック製品が10カ月連続プラスで3・5%増となった。合繊原料や汎用樹脂などは総体的に厳しい事業環境が続いており、設備能力の縮小も具体化していることを反映しているが、生産の回復基調が続いていると判断できそうだ。
消費増税の影響は緩やかに軽減する。生産予測調査に基づく4‐6月期の鉱工業生産指数は100・1、前期比2・3%の6期ぶりにマイナスとなるが、7月以降の回復は可能とする見方が大勢である。ただ「アベノミクス」による円安や株高効果ははく離することは間違いない。一方で中国経済の成長率鈍化、タイの政情不安など海外にリスク要因が増えている。生産活動の力強い回復は見込めず、企業活動も環境変化を迅速に対応した経営判断が問われる局面だろう。
この踊り場局面から脱するためには、安倍内閣で議論を進めてきた「アベノミクス」の第三の矢である実効ある成長戦略が注目されることになる。国際的に割高な法人税の見直しのほか、高コスト構造と安定供給に不安の残す電力問題など、直面する課題を着実に解決することが迫られている。