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2014年05月26日 前へ 前へ次へ 次へ

アジアの石化 生き残りの道探る APIC2014から

危機感バネに、カギは技術革新
・小林氏=試練はチャンス
・サイクス氏=人材面で優位性
・パイリン氏=新時代に適応を

 「変革-塗り替わる勢力図」をテーマに、タイ・パタヤで開催された今年のアジア石油化学工業会議(APIC2014)。昨年までは北米のシェール革命など原料情勢の変化そのものを議論する場面が少なくなかったが、今年は「ナフサを中心としてきたアジアの石化産業がどう生き残るべきか」といった一歩踏み込んだ議論が展開された点が大きな特徴だ。とくに、本会議に登壇した石油化学工業協会の小林喜光会長(三菱ケミカルホールディングス社長)、基調講演を行ったタイ石油公社PTTのパイリン・チュチョッタウォーン社長兼CEO、ダウ・ケミカルのピーター・サイクス アジア太平洋担当社長の3氏の講演は、いずれもイノベーションの必要性に触れ、技術革新こそがアジアの石化産業が生き残る道であり、地球と人類の未来に貢献できることを示唆。危機感をバネに課題に挑む姿勢がうかがえた。
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 「中東や北米の天然ガスをベースとした石化産業の胎動はアジアの石化産業に試練となる。しかし、形勢を一変させるイノベーションを追求できる千載一遇のチャンスでもある」。7カ国の協会代表が登壇する本会議で、石化協の小林会長はこう訴えた。
 「日本のメタンハイドレート開発は進んでいるのか」。今回、参加したアジアや欧米の参加者や記者から同じような質問を多く受けた。世界6位の海洋国家である日本に眠る次世代エネルギーに対する世界の関心は高いが、「日本の取り組みは遅々として進んでいる」と答えると、「なぜ北米のシェール開発のように必死に取り組まないのか」と不思議がる質問者が大半だった。
 日本のメタンハイドレートの取り組みについて、記者会見した石化協の小林会長は「シェール革命は1人の起業家から生まれた。イノベーションに対する感性が違う」と憂慮。技術革新を追求し、千載一遇のチャンスを逃してはならないことを示唆した。
 また、基調講演したサイクス氏は「ナフサをベースとするアジアの石化産業が(シェールなどが台頭する)新たな世界で競争力を持つとは思えない」と述べる一方、「この不利を挽回する最善策は成長するアジアの顧客にソリューションをもたらすことだ」と強調。イノベーションこそがカギとし、「スキルを持った学生が不足する米国に対し、優秀な学生はアジアから輩出される傾向にある。優秀な人材が豊富なアジアには恐るべきアドバンテージがある」と述べた。
 一方、基調講演したPTTのパイリン社長兼CEOは、「石油からガスの時代に突入した」と述べ、エネルギー産業も石化産業も新たな時代への適応を迫られていると強調。また人口増加や食糧不足などメガトレンドが進行するなか、ポリウレタンや繊維強化樹脂(FRP)などがその解決に大きく貢献できると述べ、さらにバイオ原料が豊富なタイは原料から化学品までバイオコンプレックスを構築できる強みがあると指摘。それを実現するためにも「イノベーションに挑戦する人材の育成・開発が最重要テーマの1つ」と述べた。
(渡邉康広)

【写真説明】今年のAPICはアジア石化産業が生き残るための議論が展開された


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