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2014年05月23日 前へ 前へ次へ 次へ

オニテナガエビの養殖を支援する日本の技術

 東南アジア原産の淡水エビのオニテナガエビは、高級食材としてタイをはじめ、インドネシアやマレーシアなどで広く食されている。現在では養殖が主だが、カンボジアのタケオ州で獲れる天然モノが最高級とされている▼そのタケオで、日本の先端技術を使ったオニテナガエビの養殖実験が今夏から始まる。岡山理科大学の山中俊政准教授が開発した「好適環境水」を使った養殖プロジェクトだ。好適環境水は魚類の正常な代謝を維持するために、最小限必要な電解質を含ませた水で、海水魚、淡水魚双方に適する浸透圧を持ち、これまでトラフグやウナギの養殖を成功させてきた実績を持つ▼自然界にはない性質のため、海水や淡水由来の病原体が存在せず、病気にかからない、浸透圧の調整にエネルギーを消費する必要がないことから通常より早く育つという大きな利点がある▼陸上養殖は発展途上国の栄養改善や貧困対策につながると期待されている事業分野の一つである。ODAの内容が変わりつつある。橋や道路など定番の土木事業から、それぞれの国のニーズに合ったものがものが求められる時代になっている▼カンボジア・タケオ名物のオニテナガエビの低コスト養殖は地域の持続的発展に貢献する。日本発の化学技術も途上国支援につながることを大いに期待したい。


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