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職務発明の法人帰属への議論を急げ
企業の従業員が職務上行った発明の帰属をめぐる「職務発明」問題が見直しに向けて動き出した。現行の特許法では、職務発明に関する権利は発明者に帰属することになっている。この規定に基づいて、青色発光ダイオードの発明者などから訴訟が続出、企業は巨額の支払いが迫られた。海外では企業に帰属することが一般的だけに、日本企業の大きなリスクとなり、経済成長を実現するイノベーションを阻害しかねないとして見直しを求めてきた。経済産業省は、産業構造審議会知的財産分科会を立ち上げ、職務発明制度の抜本見直しに動き出した。
職務発明をめぐる訴訟は2000年代初頭に相次いだ。発明を手掛けた退職研究者を中心に高額な対価を要求された。企業は「相当の対価」の算定基準は明確になっていないこともあり、偶発的に発生する債務リスクとして不安を広げた。
特許法は04年に部分改正されたが、訴訟リスクの予見性は改善されていないという。外資系企業は、この制度が日本に研究拠点を設置を検討する際のカントリーリスクとして、対日投資を避ける傾向も生まれた。
政府は昨年6月に策定した「知的財産政策に関する基本方針」、「日本再興戦略」で産業競争力強化の阻害や経営上のリスクの視点から、発明者帰属から法人帰属に向けて舵を切った。法人帰属への特許法改正は経団連のほか、高額な対価になりがちな製薬、エレクトロニクス業界などが要求してきた。
製薬業界では、職務発明に直結しやすい合成やメディシナルケミストリー関連だけでなく、幅広い高度で専門的な基盤技術の総合力で創薬開発が行われていると指摘。発明者のみを優遇すれば、従業員間の公平感、情報共有やチームワークを阻害すると危機感を強めている。
経産省では、産構審において今年半ばまでに論点を整理し、14年度中に結論を出す方針。産業界は法人帰属で足並みを揃えている。一方、日本弁理士会は、発明者が原始的に特許を受ける権利を有し、発明が完成した時点で特許を受ける権利を法人に帰属させるべきと提案している。法人帰属に向けた方向を確認しながらも、発明者保護に配慮している。
職務発明問題は法人帰属の方向で動き出しているが、改正によって研究者のモチベーションを低下させては意味がない。企業は発明者にとって魅力ある制度や環境の提供という視点を重視して、高圧的姿勢は避けなくてはならない。法人帰属が定着させるために、一律的ルールではなく、それぞれの企業で研究者との合意に基づく自主的な制度設計を目指すべきだろう。