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2014年04月18日 前へ 前へ次へ 次へ

「群雄割拠」のわが国化学産業の将来

 「群雄割拠」。日本の化学産業は、先進国のなかで上場企業数が他を寄せ付けない。欧州では大手企業が姿を消し、ドイツを中心に集約された。米国も大手化学と呼べる企業は数えるほどしかない▼世界の化学会社売上高トップ10には、三菱ケミカルHDのみが日本企業で入っているが、上位50社に広げると約2割を占める。資料がないが、これを100社、200社に拡大すると、日本の占有率はさらに高まることは化学工業関係者は実感で分かるのではないか▼息が長い。日本の化学企業の特徴だ。欧米と比べて業界再編成の規模が小さかったことも、群雄割拠が続いている要因だ。日本は産業を問わず長い歴史を持つ企業が多い。ある調査によれば、2008年時点で創業200年以上の会社は世界で5500社強。このうち3100を超える企業が日本に集中する▼企業を丸ごと売り買いすることが常態化している西洋との差は何か。双日総合研究所の吉崎達彦氏は「企業を営むという行為に対する日本人の古くからの熱意」と分析する▼日本には千年企業もある。木造建設の金剛組、生け花教室の池坊華道会など7社。日本の化学産業は大きな構造転換のなかにある。未来を拓く事業創出がこのカギを握る。世界に冠たる長寿の化学産業を確たるものにできるか、今その節目にある。


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