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動き出す健康・医療戦略の期待と課題
昨年6月、政府が策定した「日本再興戦略」における戦略市場創造プランの具体化が待たれている。なかでも健康・医療戦略は国民の健康寿命を延ばすとともに、国際競争力のある成長事業創出という期待が集まる。その研究開発の司令塔の役割を担う独立行政法人「日本医療研究開発機構」設立を含めた新法は、5月上旬にも国会で成立予定だ。縦割り行政の弊害を打破し、戦略的かつ重点的な研究開発を推進してほしい。
医療を中心としたライフサイエンス分野の研究開発は、文部科学省、厚生労働省、経済産業省など多岐に広がっている。この縦割り行政によって、世界レベルの基礎研究の成果がスムーズに臨床研究、実用化につながらず、画期的イノベーションを阻んでいることが、わが国の課題として指摘されてきた。日本の製薬会社は、米国に次ぐ2番手グループの新薬創出力の有してきたが、低分子医薬品に偏り、成長が見込める抗体や核酸医薬品の開発は遅れている。
安倍内閣は革新的医療技術の加速を目的に、首相を本部長とする「健康・医療戦略推進本部」を設置、基礎研究から実用化までの一体運営を目指している。分散していた予算も内閣官房の健康・医療戦略室に集約するとともに、政策の整合性を図る。さらに研究推進の司令塔として日本医療研究開発機構の設置を決めた。欧米に比較してコスト、スピードだけでなくデータマネジメント、品質など課題が山積している臨床研究では、中核を担う病院整備に乗り出すことにした。
"日本版NIH"として注目されている新機構は、来年4月に設立予定。正式設立に先駆け、新法が成立すれば実質的に活動を始める予定で、今年度から3省の予算枠を集約して約1400億円を確保した。研究分野の重複投資の改善に一定の効果が期待できるだろう。
しかし、米国のNIHを直ちにキャッチアップすることは無理だ。NIHは1世紀以上の歴史を持ち、予算は約2・5兆円、新機構の20倍近い大きな規模である。NIHの"縮小コピー"に陥らないためには、研究テーマの絞り込みは避けて通れない。残念ながら、14年度予算要求では、これまでのように広範な分野に広く、薄く配分する傾向が強い。日本が競争力を期待できる分野に集中的に予算を配分する戦略的な取り組みが必要である。
メリハリを付けるためには、日本の弱点だった基礎と臨床でシームレスな協業体制の構築も重要である。これを可能とする人材育成も急務で、優先順位を重視した新機構の立ち上げが求められる。