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2014年04月16日 前へ 前へ次へ 次へ

人と話題 ライオン研究開発本部 吉井和美さん

教育支援活動が日本化学連合の「化学コミュニケーション賞2013」を受賞
日用品通し楽しさや知識を

 日本化学連合の「化学コミュニケーション賞2013」(共催・科学技術振興機構、化学工業日報社など)にライオンの研究開発本部企画管理部が選ばれた。業績課題は「身近な日用品を通しての"化学"教育支援活動」。同社の継続的な取り組みが評価された。
 「若い人たちの理科離れを防ぐとともに、正しい知識で生活を豊かにして欲しい。このため日用品メーカーには何ができるか」。活動を主導してきた同部副主任部員の吉井和美さんは基本概念を話す。所属する企画管理部は研究所を含めた研究開発本部の本社機能を有し、吉井さんは同部で広報チームのメンバー。いわば技術広報の役割を担う。

 受賞対象となった活動は「実験授業」「展示施設」「技術情報誌」の3つのツールを活用し、「対象者別に内容をカスタマイズしていることが最大の特徴」。例えば、小・中学生にはシャボン玉作りなどを通じた楽しい体験、高・大学生には企業研究紹介や若手研究員との交流など将来のキャリアをイメージできるような場を設けている。
 研究開発本部が拠点を置く平井事業所(東京都江戸川区)はかつて工場であり、古くから地域貢献の一環として実験授業を行ってきた。09年に同事業所内に展示施設となるコミュニケーションセンターができたのを機に、この活動を本格化させた。ほぼ時期を同じくして企画管理部に広報チームができた。
 今回受賞した3件のうち企業は同社のみ。「広報チームの活動が社外に認められたわけで、社内の認知度も高まった。直接利益に結びつくものではないが、会社の活動としてやりやすくなる」と感じている。
 実験授業は「教育の一環として若手研究員に任せ、私たちは裏方に回る」。研究員のつながりにも役立っている。コミュニケーションセンターへの見学者も基本的に広報チームが対応し、顧客と学生を含めて昨年は約200件、3000人ほどが訪れた。「評判も良く、口コミで広がるケースもある」という。10年発行の技術情報誌「ライオンサイエンスジャーナル」(年2回発行、日本語版と英語版)もチームの仕事だ。
 吉井さんは、入社してセメント混和剤の研究に携わった後、リビングケア研究所で住居回り製品に従事。11年に発売されたトイレのふき取りクリーナー『ルックまめピカ』の開発者でもある。12年に今の職場に移ってこの活動に携わり、「実験に使う道具選びから、作り上げていく生みの苦しみ」を味わった。
 研究所にいた時から広報系の仕事に興味があった。「当社には幅広い製品があるので、実験授業のプログラムも充実させていく。広報の仕事はずっと続けていきたい」。"リケジョ広報"としての想いは熱い。
(児玉和弘)


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