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バンコクの日本料理店で見たプロの厳しさ
スーパーのレジで「シャイン」と呼ばれる正社員のレジ操作を見たことがある。普段は、いらいらしない程度の速さを見慣れてきた身にはそれは別物だった。見事な手際。レジ全体の空気が変わった▼同じ風景をバンコクでも見た。京都出身の天ぷら職人が経営する和食の店。トンカツから寿司、焼き魚まで海外によくあるタイプの和食店だが、出来立ての天ぷらをカウンターで食べさせてもらえるのが嬉しく、機会があれば立ち寄る▼この店の特徴の一つが従業員の定着率が高いこと。長きにわたって利用しているが、板前から仲居まで見慣れた顔が多い。離職率が高いバンコクにあっては異例ともいえる▼店の雰囲気は和気あいあい。だがある時、夕食を摂っていると、いつもは従業員の動きを見ている大将がカウンターの中に入り、黙々と天ぷらを揚げはじめた。その動作は鬼気迫るものがある。油の撥ねる音すら違う。すると従業員にこれまでにはない緊張が走った。板前は大将の手元を見つめ、仲居の動きがきびきびしてきた▼どうやら、従業員の慣れにともなう店のだれた雰囲気を破ろうというのが大将の狙いだったらしい。これもまたプロの仕事。人前で叱られることを極端に嫌うタイ人の性格を見抜いてのことでもある。新社会人に言いたいことは一つ。"プロたれ"。