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2014年03月27日 前へ 前へ次へ 次へ

転換する中国の農業政策の波紋

 数年前に中国産野菜がスーパーの売り場を席巻したことがあった。低価格が売りだったが、過剰な農薬使用で安全性に不安が広がり、近年はほとんど姿を消したようだ▼この経験から中国は有力な農業国という印象が残ったが、昨年末の食糧安全保障戦略の転換は波紋を広げた。農林中金総合研究所の阮蔚(ルアン ウエイ)主席研究員によると、中国は10年連続で食糧増産を達成したにも関わらず、目標の「食糧の95%自給」は恒常的に未達という▼これからも耕地面積や水資源の制約から大幅増産が難しい一方、人口や所得増加による需要拡大は確実に進む。農業競争力の向上も見込めず、政府も95%自給は困難と判断した▼そこで食糧安保戦略を転換したわけだが、コメと小麦の主食用穀物は「絶対的自給」、飼料・工業用穀物のトウモロコシを「基本的自給」として国内生産を堅持する半面、油糧種子など主食以外の食糧は不足分を輸入することにした▼中国の食糧政策の影響は大きい。1990年代なかばに穀物を大量輸入した際、「中国の輸入増で国際価格が上昇、途上国は輸入できなくなる」と反発された。政府は衝撃を受けて95%自給を打ち出した。その戦略を転換するだけに、農業政策に苦悩が滲む。阮蔚さんは日本への影響は軽微とするが、お天気次第の食糧ゆえ、無関心ではすまされない。


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