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深刻化する中国の水環境と事業機会
今月、広東省広州市で開催された中国華南地区における最大規模の水処理展示会、「広州水博覧会」を取材する機会を得た。数百社に達した出展企業が水処理技術および周辺技術を展示した。会場には中国のみならず、インドや中近東からの来場者も目立った。
北京だけでなく、最近では上海などにも広がった大気汚染、「PM2・5(微小粒子状物質)問題」が深刻化、日本への影響も懸念されている。これに対し、水環境問題は中国国内に限られがちだが、見方によっては「PM2・5」以上に深刻で、早期かつ迅速な対応が必要なレベルにある。
中国は2013年春から政府方針として環境対策を重点項目と掲げ、大気汚染、土壌浄化、そして水利資源の適正化の3項目に取り組んでいる。国連環境計画(UNEP)の策定した1人当たり年間水資源量基準に対して北京、上海、天津など8省の都市部が水資源が満足にまかなえない絶対的水不足分類に入るという。都市へ流入して急激な人口増加がこのまま続くと、数年内に中国の主要都市で「慢性的、絶対的水不足」問題が一挙に表面化する可能性があると指摘されている。
アフリカやインドなど雨量の極端に少ない地域や、水資源を持っていないシンガポールの水不足と違って、中国の都市部は急速なスピードで増え続ける人口流入に対して社会的基盤インフラの整備が追いつかず、水供給に支障を来している。
このため中国政府は、都市部で消費される水を確保するために周辺地域の川や湖沼から都市部へ引水している。ただ引水された農村部などで水不足を起こし、農作物収穫に多大な影響を与えるという新たな問題も生まれている。
北京などは引水による水資源確保だけでは限界がある。政府はシンガポールで導入された下水などを使って飲料以外の用途を対象にリサイクルする「再生水」の実用化に取り組んでいる。早晩、上海や天津などの都市部でも、再生水など最新の水処理技術の大幅導入が必要になってくるだろう。
広州における水処理展示会でも、ここ数年「リサイクルウオーター」の関連技術を出展する企業が増えているようだ。日本では水処理技術・システムを官民連携で海外に売り込んでいくプロジェクトが発足して数年を経過した。中国で深刻化する水環境問題に、わが国が蓄積した技術力を生かして積極的にアプローチすべきではないか。水ビジネスの総合力で日本企業は劣っているだけに、官民連携でビジネス機会を創出、中国市場を開拓してほしい。