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ヘルスケアに資源投入する電機大手
工場閉鎖や人員削減など大規模なリストラの暗い話題ばかりが目立つエレクトロニクス業界だが、収益回復策の一つとしてヘルスケア事業強化に動いている。長年蓄積した先端技術を活用して少子高齢社会に適した新規事業を創出しつつある。
東芝はヘルスケア事業で売上高1兆円を目指す経営戦略を推進している。これを支えるのが田中久雄社長自身が驚いたというグループ内に散在している技術の多様さ。これらのシナジー効果を追求することで、世界に類のない総合ヘルスケア企業に成長できると判断した。数千億円規模のM&Aも視野に入れ、エネルギーと半導体に次ぐ柱に位置付ける。
ヘルスケア分野に取り組むエレクトロニクス大手に共通するのは半導体技術に強いことである。かつて「産業のコメ」とされた半導体は国力そのものだった。高度の清浄度と耐震性をもつ建屋にナノ単位の加工を行う精密装置を並べ、それを24時間・365日稼働するユーティリティも必要になるからだ。これらすべてを国内で揃えられるのが日本の強みだった。
半導体チップの量産では国際競争力を失ったが、ノウハウは生きている。好例が植物工場への取り組みだ。富士通グループは福島の半導体工場にあった約2000平方メートルのクリーンルームを転用し、人工透析患者でも食べられる低カリウムのリーフレタスを栽培、今年から出荷を始めた。半導体で培った最適製造条件の割り出し技術を液体肥料や雑菌の管理に適用した。
わが国で数少ない半導体事業の勝ち組である東芝も、コンピュータ断層撮影装置やDNA検査装置などに加えて、年内にも植物工場の運営を開始する。関東圏にある空き工場のクリーンルーム(約2500平方メートル)を使ってレタス栽培を行う。病害の原因になるウイルスを排除して無菌・無農薬の「スペシャリティベジタブル」を供給するという。同社はジューサーなどの調理家電も扱っているだけに相乗効果を期待する。
ヘルスケアのほか、環境問題における事業機会の探索も始まっている。ここで注目すべきはNECの生分解性プラスチック。筑波研究所で栽培したケナフを用いて研究に着手、パソコンの筐体に耐える性能を実現した。用途開拓をグローバルに進めている。
これらは一例に過ぎない。先端技術にこだわった技術開発ばかりではなく、蓄積したリソースを掘り起こして市場のニーズを先取りした製品・サービスを開発することでビジネスチャンスは広がっていく。埋もれた技術を再発見し、イノベーションにつなげていきたい。