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中国の設備過剰対策に日本の経験を
中国が素材産業の設備過剰対策に意欲を見せ始めている。化学品においても、中国の設備過剰を解消できるかどうかは、同国のみならず、アジア全体の化学産業の健全な発展、合理的な市況形成にとっても大きな課題といえる。二度のオイルショックやバブル崩壊などに遭遇して、幾多の構造改善を実施してきた日本の化学業界は、この機をとらえて中国と意思疎通を深め、持続可能なアジアの化学産業の実現を目指すべきだ。
中国国務院は昨秋、鉄鋼、セメント、アルミ、板ガラス、造船の5業種を対象に過剰生産問題解決に関する指導意見を発表。国家として産業構造改善を進める方針を打ち出した。
化学品については、中国石油・化学工業連合会(CPCIF)が「CPCIF2013年度重点課題」のなかで石油精製、窒素肥料、リン酸アンモニウム、クロルアルカリ、ソーダ灰、カーバイド、メタノール、フッ素シリコンの8業種について過剰である認識を示した。今年1月の会見においても、石油・化学工業の主要課題の筆頭に設備過剰を挙げている。
この一環としてCPCIFは、日本の化学産業の構造改善の歴史に興味を示している。1980年代にエチレン生産能力の3分の1強を処理した産業構造改善法や、近年の有限事業責任組合(LLP)を活用した事業構造改善などの研究を始めている。日本の化学企業がその経緯を説明した例もあるという。
企業が競争を通じて切磋琢磨して、需要家により安価な製品を提供することは当然である。しかし、過度の設備過剰は、再投資可能な価格形成を阻むことで個々の産業を疲弊させる。化学産業をはじめとする素材産業が疲弊すれば、結果として川下の産業群に供給される原材料の高機能化やイノベーションを阻むことになり、産業のサプライチェーン全体の損失を招く。
日本の化学メーカーは12年以降、中国の設備過剰の煽りを受けるかたちで業績を悪化させてきた。とくに、高純度テレフタル酸、カプロラクタム、アクリロニトリルといった合繊原料や、フェノール、メチルメタクリレート(MMA)などのプラスチック原料で影響が大きかった。こうしたなかで中国が今後、設備過剰を解消する事業構造改善に着手させることで、中国およびアジアの化学製品市況の改善につながっていくかは大きな関心事だ。
再投資可能な利益を確保しながら、需要家に新たな価値を提供し続けることが素材産業の使命だ。長い歴史のなかで日本の化学産業が学んだ教訓を中国と共有するチャンスが訪れたといえよう。