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「選択する未来」へ重層的な論議を
政府はこのほど、経済財政諮問会議に「選択する未来」委員会(三村明夫会長)を発足させた。半世紀先の日本を取り巻く環境変化や日本経済そのものの構造転換を見据えて、グランドデザインを描くのが狙い。少子高齢化をはじめとして国家的な課題が山積しているなかで、どういう未来を設計していくのか注目したい。
委員会は(1)成長・発展(2)人の活躍(3)地域の未来の3ワーキンググループ(WG)で構成する。「成長・発展WG」は今後の構造変化を見据えた日本経済の発展メカニズムのあり方を議論する、「人の活躍WG」は男女ともに生涯にわたって能力を発揮できる環境づくりを、「地域の未来WG」は個性を生かした地域づくりを主題に掲げる。
計画では、2-3月にかけてWGで検討項目の整理とともに中長期的・マクロ的な分析を行い、4月以降、中間整理への議論を進める。年内には最終報告をまとめて諮問会議に答申するが、これは諮問会議がまとめる「骨太の方針」や年末の予算編成に反映させる。
政府としては「アベノミクス」を通じた景気回復の動きを確実なものにしながら、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年頃までに分野横断的に取り組むべき重点課題を抽出して包括的な取り組みを進める。「選択する未来」は、その際の大きなバックグラウンドとして具体的に連動していくことになる。
委員会が重視しているのは、長期的な人口減少、構造変化による経済社会への影響だ。現状のまま推移すれば、日本の人口は50年後には8700万人に減少する見通し。少子化対策は急務だが、並行して人口減少に対応した経済社会づくりが必要になる。
具体的には、国内需要の縮小やイノベーション力の低下、社会保障制度を支える現役世代の減少、限界自治体の増加が予想されるなかでの対策が焦点になる。これを起業促進や付加価値生産性の向上、外国人人材の活用、女性・高齢者の労働参加、地域間連携などでどう補っていけるのか、「望ましい未来の設計図」を提示する。
また、資本蓄積と労働人口、そして労働・資本の生産性が経済成長を規定することになる。現在は15-64歳とされている労働人口についても、70歳までの健康な高齢者は十分な"労働力"になるとの見方もある。
日本経済が大きな構造転換に突入しつつある今、日本の未来を正面から論議する必要性は論を俟たない。論議の中身を国民に示しながら、50年後の未来の設計に向けた共通認識を煮詰めてもらいたい。