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2014年01月23日 前へ 前へ次へ 次へ

飛躍 資生堂・前田新造会長兼社長

改革断行、成長路線に道筋
...昨年を振り返って。
 「デフレ脱却に向けた諸政策が早い段階で経済に好影響を与えた。経済産業省の化粧品出荷統計でも昨年初めから単価下落傾向に改善がみられる。中価格帯から低価格帯にシフトする市場構造で打撃を受けてきた当社にとって明るい材料だ」
...国内事業立て直しの具体策について。
 「在庫を適正化するため上期に店頭在庫の回収費用を引き当てた。上期末からの出荷抑制と合わせ、通期で在庫は170億〜180億円減る計算になる。来期からは業績評価指標、リベート判定基準を『店頭売上』に一本化するなどの仕組みを導入する」
 「負の遺産を整理する一方で、当社の絶対的な価値を消費者に伝えていく。現在、『SHISEIDO』『エリクシール』『マキアージュ』のブランド改革に取り組んでおり、来期中に刷新する。高齢化が進むなかで重要となるシニア市場向け新ブランドも来期中に投入する」
...中国、米国事業の進捗は。
 「中国は反日問題以降、日本製品に対する見方がいぜん厳しい。現地で生産販売する『オプレ』『ウララ』の両ブランド育成に注力している。その一環で20年目を迎える百貨店向けオプレは来期中に刷新。地域戦略ではコスト効果の高い地域を選びマーケティング、営業を集中強化する。現在は南北沿岸2省で実施しており、16年度まで毎年2省で展開する」
 「米国ベアエッセンシャルは今期、来期で不採算直営店を閉鎖し、店頭マーケティングを強化する。来期はさらにインフォマーシャルやQVCなどを再強化し新商品も投入する。ダイレクト販売、店舗販売を組み合わせた独自の事業モデルを磨き、15年度以降の継続的な成長につなげる」
...今期は海外売上高比率が初めて国内を上回る見通しです。
 「今期を転換期に、将来的に海外の比重はさらに大きくなる。当社のブランドが海外でさらに花開くにはアジア新興国で存在感を高めることが重要。インド、中東に続き、インドネシアでも合弁会社を設立する。これでほぼすべての国、地域で事業基盤が整う」
 「生産体制の再編では鎌倉工場を来年3月に閉鎖し、掛川と大阪、ベトナム工場に生産を振り分ける。ベトナム工場は日本、東南アジアへの中価格帯製品の供給拠点とし、2017年度までに年産能力を現在の1・8倍に引き上げる」
...短期間にここまで改革できた動機とは。
 「一言でいえば危機感。顧客からの支持の証である国内店頭売上が上向かないなど社内全体に閉塞感があった。それを打ち破るには痛みをともなっても加速度的な改革が必要だった。その過程で現場と何度も意見を交わし、全社で危機感と方向性を共有できたと確信する。これで次期3カ年計画が始まる来期から成長一本で踏み出せる」
(小林徹也)
▼記者の視点
昨年、社長に復帰した前田会長は「成長の行く手を阻む経営課題を一掃し、成長への道筋をつけるのが使命」と説明。その言葉通り矢継ぎ早に経営改革を実行し、来期から日本コカ・コーラ社長・会長などを歴任した魚谷雅彦マーケティング統括顧問が社長を引き継ぐ。上期の国内店頭売上は6年ぶりに前年を上回るなど足元は回復傾向にあるが、さらに飛躍を期すにはここからが正念場といえるだろう。


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