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2014年01月22日 前へ 前へ次へ 次へ

飛躍 DIC・中西義之社長

インキ事業を抜本的に改革
...中期経営計画初年度の評価と今年の見通しは。
 「売り上げ、利益の数値目標は計画を達成できそうだ。事業ごとにばらつきがあるが、総合的には円安がプラスに作用して救われた部分が大きい。スタートとしては好調だ。今年は消費税率上昇による消費の一時的な落ち込みや原料高がリスクとなる。ただ、全体的な流れとしては成長する方向性にある。海外では米国で景気が上向きつつあり、欧州も落ち着きが出てきている。新興国は成長が鈍化しているとはいえ、弊社にとっての事業機会は豊富にある」
...インキ事業再編の進捗は。
 「今年が事業構造改革の本番となる。欧米を中心にしてかなり大がかりな再構築を実施する。過剰となっている出版分野の生産能力をスリムにして、パッケージ分野は積極的な投資も含めて強い製品を生み出せる組織をつくっていく。米子会社サンケミカルにおいてもインクジェットや顔料などインキ以外の事業を伸ばしていく。ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂コンパウンドの販売も検討している。出版分野は新興国でまだ伸びているが、パッケージ分野は新興国のみならず先進国においても需要の伸びが期待できる。出版分野の落ち込みをパッケージ分野で補うのが全体像となる」
...成長牽引事業における今後の投資は。
 「液晶は主戦場の中国に新工場を建設した。PPS樹脂事業はマレーシアとオーストリアでコンパウンド工場を新増設し、鹿島工場ではニートレジンを増強した。ここ3年間で100億円規模を投じており、拡販していく下地はできた。今後はフル稼働体制にもっていくことが課題。カラーフィルター用顔料はすでに高いシェアを得ているグリーンに加えて、ブルーでも約30%のシェアをとりつつある。拡販分の供給も当面は鹿島で対応できる」
...ポリマ(樹脂)事業の課題は。
 「日系のお客さまを対象に付加価値の高い製品を中心に注力してきた。営業利益率も維持できているが、ボリュームが足りない。従来のハイエンドからより一般的な領域でグローバルのお客さまに対しても販路を広げていく。今回の中計では積極的に動きたい。すでに海外拠点はあるので樹脂の設計上の工夫などでコスト競争力を高めていく。いわゆる世界仕様のグレードの樹脂も必要となる」
...グローバル経営最適化の取り組みは。
 「全事業にわたって世界で共通に使っている主要原料を集中購買する取り組みを進めている。購買部門が単独でできることではなく、技術部門を含めて総合的に進める必要がある。地域ごとに責任体制を置き、情報を共有することによって最適なサプライヤーから一括購入する仕組みができつつある」
(石井惇子)
記者の視点
 インキは連結売上高の約半分を占める中核事業。市場構造の変化に対応して事業再構築を実行に移す。出版分野の市場が消滅することはないが、年率数%で市場が縮小すればどうなるか。「残存者として最後まで戦い抜くか、ある時期に完全に撤退するかの決断は今中計以降でのテーマになるだろう」。積極的な投資を進めてきた成長牽引事業で収益基盤を確立することも重要な課題だ。


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