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景気回復で表面化してきた人手不足
個人消費が牽引して景気回復が広がっている。日本銀行が先週発表した地域経済報告(さくらレポート)によると、堅調な内需に支えられて生産が回復、雇用や所得環境も改善したことで、全国9地域の中で5地域の景気判断を引き上げた。内閣府の機械受注動向、経済産業省の第3次産業活動指数でも回復を裏付けるデータが示されたが、一方で企業の人手不足という新たな課題も浮上しつつある。
日銀のさくらレポートでは、北海道、北陸、東海、中国、四国の5地域で景気判断を上方修正した。関東甲信越など4地域は据え置いたが、全地域で「回復」の表現が盛り込まれ、景気回復が全国的に広がっていることを印象付けた。
昨年11月の第3次産業指数(2005年=100)は100・1、前月比0・6%の上昇となった。その内訳は「広義対個人サービス」が1・2%の上昇に対し、「広義対事業所サービス」は0・2%の上昇にとどまった。天候不順が続いた10月の反動増要因はあるものの、好調な個人消費が確認された。
従来、わが国の景気回復パターンは輸出主導型が多かったが、今回は個人消費が引っ張っている。一方で、経営者は「アベノミクス」効果を慎重に見極めたいという姿勢も強く、設備投資の回復が遅れていた。
その設備投資も上向きに転じてきた。設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の11月の受注実績は前月比9・3%増、2カ月連続で増加した。ただ増加業種は「石油製品・石炭製品」「パルプ・紙・紙加工品」「情報通信機械」「化学工業」のみで、残りの民需7業種はマイナスと偏りがある。10-12月見通しは前期比2・1%減、2期連続マイナスと不透明感は残すが、製造業にも投資回復の動きが出てきた。
さくらレポートでは、全国的に労働需給が改善傾向にあり、賃金も都市圏を中心に持ち直しの動きを指摘した。有効求人倍率は東北、北陸など5地域でリーマン・ショック前水準を上回り、非製造業のみならず製造業でも増加がみられる。企業の雇用調整圧力が弱まり、求職者の就職が進展していることに加え、団塊世代の完全退職や少子化などで労働力人口減少という構造問題も顕在化している。
短期的には消費税率引き上げの影響が焦点だろうが、雇用問題が日本経済再生の障害になるという指摘も増えている。企業の人手不足感が広がり、事業活動のボトルネックになるという見方がある。人手不足の原因として若年労働者の質も課題となっている。人材育成、女性や高齢者の活用を含め総合的な労働力確保策の議論も急がれる。