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国家戦略特区で岩盤規制に風穴を
安倍内閣の経済政策で、「第3の矢」の成長戦略を牽引する規制改革への取り組みが年初から動き出した。地域を限って規制緩和を進める国家戦略特区を選ぶ諮問会議が開かれ、3月までに対象地域を決定する段取りだ。日本経済再生のボトルネックとなっている「岩盤規制」改革に注目が集まる。
昨年12月7日、国家戦略特別区域法が成立した。安倍首相の「どれだけスピード感と実行力をもって進めていけるかが問われる」との意気込み通り、政府の動きは速い。すでに戦略特区に対して、自治体や民間から200件あまりの提案が行われている。政府は今月末に予定している会議で、特区を選定する基準や運営目標などの基本方針を固める方針だ。
安倍首相が陣頭指揮する諮問会議には、民間有識者も参加する一方で、厚生労働相や農林水産相など関係大臣が入っていないことに注目したい。省益を排除し、トップダウンで規制改革を進める狙いがある。
今回の戦略特区には「民間投資の喚起を通じて、日本経済を停滞から再生へ導く」との狙いが明確に示され、医療や教育、農業など幅広い分野での特区提案を期待している。具体的には、世界トップクラスの国際医療拠点を目指して外国人医師・看護師の業務解禁、教育では公立学校運営の民間開放、農業では信用保証制度の適用などが示唆されている。
こうした政府の呼びかけに対して、自治体や民間事業者の反応は上々らしい。特区提案のヒアリングが行われているが、予想を上回る提案が寄せられたようだ。
大阪府・大阪市は、そのままずばりの「岩盤規制に風穴を開け、民間によるイノベーション創生特区」案を提案。川崎市は千代田化工建設など民間と共同で「水素エネルギーフロンティア特区」、大分県は鉄鋼、石油、石油化学コンビナートが集積する地域を「国際ケミカルタンクターミナル特区」として育成・開発する提案を行った。
諮問会議は会合を重ね、今春までに数カ所の戦略特区を先行して決定する方針を示している。最大の関心事は特区の内容とともに、規制改革・緩和の進捗度である。これまで、いくつかの特区構想が打ち出されたが、規制緩和が中途半端で、事業者からは使い勝手が悪いという不満が強かった。
この反省を踏まえ、戦略特区がどういう内容でスタートできるかが問われる。岩盤規制の抵抗を押さえ「改革・変革」に踏み込めるのか、"国家戦略"の重みを示す必要がある。「規制改革特区」として評価される成果を期待したい。