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2014年01月17日 前へ 前へ次へ 次へ

飛躍 旭化成・藤原健嗣社長

ポートフォリオ着実に強化
...今期は過去最高の収益を予想しています。
 「昨年はいわゆるアベノミクス効果もあって、日本が世界の注目を浴びた年だった。前年に比べて消費マインドも明らかに上向き、われわれもその流れに上手く乗れたのではないか。内需型ビジネスは堅調で、海外事業もケミカルやエレクトロニクスは販売面での力強さこそ欠くが円安の恩恵も受けており、グループ全体ではバランスよく進んでいる。今年の世界経済は米国の景気が上向き、中国は安定成長、欧州も底割れはないとみており、緩やかな回復に向かうだろう。このまま堅調な経済成長が続けば、安定した収益を期待することができる」
...成長期待の高いヘルスケア事業はどう伸ばしていきますか。
 「グローバル市場でいかに事業を広げていけるかがこの分野の課題だ。自分で技術を持ちコアテクノロジーを強くし、マーケットを広げていくことが重要だ。世界の主流は新たな技術や治療方法が生きる欧米型にシフトしており、そこで勝負できなければ事業の拡大はない」
 「救命救急医療機器のゾール・メディカルはそのための重要なプラットホームとの位置づけだ。彼らは旭化成グループの素材やテクノロジーをみて、自分たちのメディカルデバイスに生かせるものが驚くほどたくさんあると目を丸くしている。ゾールの救命救急関連の製品と連携が図れるだろうし、旭化成の素材の新たな出口開拓にもつながると期待している」
...グループ融合を目指した「これからプロジェクト」については。
 「もともと技術やアイデア、人の交流を促進し、システム型・融合型の新事業創出を目指してきた。社長直轄プロジェクトとして3年間経つが、このなかからリチウムイオンキャパシターや紫外発光ダイオード(LED)などいくつかは事業化ステージにきている。今後は環境・エネルギー、住・くらし、ヘルスケアのテーマに沿った研究開発をさらに強化していく。例えば、われわれが多くのアプリケーション有する膜という分野を横断的にみるチームがあってもいい。水素社会に向けた技術開発や再生医療など事業化に時間を要する分野もあるが、こうしたテーマも当社の技術を生かした取り組みを進めてていく」
...営業利益2000億円の早期達成を目標に掲げています。
 「重要なことはわれわれが中期経営計画の基本方針に沿って予定通りに歩を進められているかどうかということだ。事業構造のバランスは確実に強化されている。われわれにできることは明確な戦略を持ち、目指す方向性をはっきり示すこと。世界経済の動向により時間軸がずれることはあるが、戦略をしっかり実行していくことを重視している。それができれば、数値目標の達成が1年程度前後しても大きな問題ではない」
(但田洋平)

(記者の視点)
 自慢の事業ポートフォリオは高収益を牽引する住宅に加え、ケミカルでも振れ幅の大きい石油化学をエンプラや高機能材料が補うなど底上げが進む。5年間の中期経営計画は4年目。注力分野はヘルスケアで、医薬、医療、黒字化がみえてきたゾールのテコ入れをはじめ、さらなるM&A(合併・買収)も視野に入る。これからプロジェクトは第2ステージに入り、新規テーマの設定で成長分野を切り開く。


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