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警戒感を解消できない企業の景況感
日本銀行が16日公表した全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業から中小企業まで景況感の改善が確認された。堅実な内需に加えて、海外経済に支えられた輸出の持ち直しが背景にある。一方、3カ月後の「先行き」に関しては、慎重に判断する企業が多く、来年4月の消費増税後の日本経済には不透明感が漂っている。
企業の業況感を示すDIは「良い」と回答した比率から、「悪い」と回答した比率の差から算出する。12月調査では大企業製造業が16、前回調査から4ポイント上昇した。プラスは4期連続で、リーマン・ショック前の2007年12月以来6年振りの高水準となった。中堅、中小の製造業もプラスに転じた。
窯業・土石、非鉄金属に牽引された大企業素材業種のDIは17、自動車や汎用機械が好調な加工業種は15で、大半な業種が好転した。化学企業も例外でなく、大企業は4ポイント改善して12、中堅企業は5ポイント改善して6、中小企業は10ポイント改善して6となった。大企業非製造業のDIも20、6ポイント改善した。
安倍政権が発足して1年、その経済政策が企業の景況感、業績を押し上げている。これを反映して、製造業の設備判断は過剰感が解消しつつあり、13年度の大企業設備投資計画は前年度比4・9%増に転じた。大企業も含め雇用判断は過剰から不足に転じ、とりわけ中堅・中小企業では不足感が強い。
「アベノミクス」効果は個人消費を中心に内需で顕在化する一方、中国など海外経済の動向には慎重な見方も多かった。ここに来て大きな下振れはないという判断が大勢になり、鉱工業生産では輸出向けに引っ張られて増産に転ずる製品が増えている。13年度の企業業績は前年比増収増益が大勢だ。
一方で、消費増税後の景気落ち込みという不安材料も抱えている。住宅や自動車など高額商品は駆け込み需要の反動減が避けられず、4月以降の減速を覚悟せざる得ない。97年4月の消費増税後のような急激な落ち込みは起こらないとしても、政府、経済界からエコノミストまで予測は一致していない。
政府は5兆円を超える補正予算によって増税後の需要減少を軽減させる方針だが、公共投資への過度な依存は財政再建を遅らせる。「アベノミクス」の第3の矢に位置付ける成長戦略に注目が集まるが、経済界は成長戦略に対して模様眺めのスタンスから踏み出していないのが現状だろう。政府は政策に対する信頼感の醸成に努める一方で、企業には時代の変化を見据えた経営戦略の構築と確実な実行を期待したい。