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世界に挑戦する日本発バイオ技術
米国が国家戦略として推進してきた非可食バイオマスを原料とするエタノールプロジェクトが苦戦している。野心的なバイオリファイナリー産業育成計画として注目されてきたが、経済性に優れるプロセス開発の見通しが立っていないようだ。このなかで、米エネルギー省(DOE)は、地球環境産業技術研究機構(RITE)のコリネ菌を用いたバイオプロセスに期待している。来年後半から始まる実証実験の成果に注目したい。
1990年代後半からバイオマス資源を原料にした燃料や化学品の生産が脚光を浴びた。当時、世界最大のCO2排出国だった米国は、農業国の強みを生かしてバイオリファイナリーの市場規模を2020年に23兆円、30年に30兆円に拡大するという目標を掲げた。
当初はトウモロコシなど穀物を原料にバイオエタノールを生産することにしていたが、量産化が始まると食料との競合が表面化、穀物価格の急騰につながり社会的批判を浴びた。そこで、食物と競合しないセルロースなど非可食バイオマスに原料を転換して技術開発を進めた。しかし、セルロース系エタノールの量産計画は壁にぶつかっており、10万キロリットル程度の実証設備がようやく稼働できる段階にとどまっている。
バイオエタノール製造技術は、原料を酵素で分解して混合糖を製造する前処理工程と、この混合糖を微生物で発酵させる工程で構成される。前処理で発酵阻害物質が大量に発生して、発酵工程の生産効率が低下、低コスト化の障害となっている。
一方、コリネ菌を用いるRITEプロセスは、発酵阻害物質の影響を受けにくく、90%以上の収率でエタノールを製造できる。RITEによると、1ガロン当たり2・15ドル程度の生産コストが実現可能で、DOEの求める経済性をクリアできるという。今後、DOE傘下の再生可能エネルギー研究所(NREL)と共同研究の詳細を固め、千葉・かずさアカデミアパークにおいて実証試験に移る計画である。
RITEでは、エタノールに続いてバイオブタノール開発にも着手している。国際民間航空機関(ICAO)は、20年を目標に航空機からのCO2排出抑制を打ち出している。バイオマスによるジェット燃料量産化は急務である。
さらに化学品原料のバイオマス転換も迫られ、世界の有力化学企業がRITEと共同開発を計画している。日本はコリネ菌を使った発酵プロセスで世界に先行して優れた技術成果を生み出した。日本で量産型バイオプロセスを工業化するには制約が多いが、技術を世界に展開するという夢に挑戦してほしい。