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2013年11月29日 前へ 前へ次へ 次へ

熱い政治の季節を再び迎えたタイ

 タイをよく知る取材相手によれば、タイ人は二つの性格があるという。「微笑みの国」と言われるように、穏やかで争いを避けようとする傾向が一つ。慢性的な交通渋滞に悩まされるバンコクでも、クラクションの音を聞くことはあまりない。場の雰囲気を読んで大人の振る舞いができる国民という印象が強い▼一方で、一旦頭に血が上ると回りが見えず、後先を考えられなくなる傾向も持っている。もちろんあらゆる人間にこうした感情はあるだろうが、外見が非常に穏やかなタイ人は、急変するという印象がある。それも国民性の一つの側面というのが、その人の見方だ▼タイがまた熱い政治の季節を迎えている。反タクシン派のデモ隊が政府の主要施設を占拠した。狙いは、現在も影響力を保持する"タクシン政治"の機能ストップ。これに対してインラック首相は治安維持法をバンコク全域に拡大、緊張が一気に高まっている▼以前の反政府運動では小規模ながら内戦状態となり、死傷者も出た。この傷はまだ癒えていないなかでの緊張の高まりだけに、衝突は避けられると信じたい▼反政府派リーダーは3日以内の収束を表明したが、すでにその期限は過ぎた。国民性の柔らかさを発揮するのか、激情が出るのか。世界有数の日本企業の進出国でもあり、今後の動向が注視される。


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