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植物工場展開を加速するエンジ業界
プラントエンジニアリング企業による植物工場システム参入が本格化している。農業従事者が培った経験や勘に依存した生産手法を転換し、豊富なエンジニアリング技術によるハウス建設、先端のIT技術を駆使した環境制御機器などで"農業の工業化"を支援する。エンジ業界には、今後の新規成長領域として育成するとともに、海外市場開拓も視野に入れた事業展開を望みたい。
国内農業は将来の担い手不足や農業従事者の高齢化が懸念され、近年は異常気象による生育不良も深刻化している。このなかで、天候など環境に左右されず、生産計画を立てやすい植物工場が注目されている。
日揮は昨年、植物工場システムのベンチャー企業であるグランパに資本参加した。同社の開発したエアドーム型ハウス、農産物の成長に合わせ回転・スライドする自動スペーシング技術を活用することで、露地栽培より単位面積当たりの生産能力が高くなることが特徴。また洗浄せずに食べられることも消費者の安全ニーズに適合する。
千代田化工建設は植物工場システムに関するコンサルティングビジネスを開始した。ハウス内での発光ダイオード(LED)を使った照明器具などの最適提案を行い、省エネや工場運営を支援する。また、ある大手エンジ会社は、寒冷地で高効率コージェネレーションシステムを導入、電力や排ガス活用によるハウス内の温度調整を容易にする設備を受注している。
機械・装置メーカーも植物工場市場に熱い視線を送る。日機装エイコーは、植物工場向け簡易薬液注入システムを開発、液肥タンク、ポンプ、遠隔監視装置を組み合わせ、最適なシステムとして提供する。露地栽培と違って、植物工場ではトレイへの水や肥料の供給が重要だが、こうした制御にコンピューター管理を導入して作業の無人化を可能にした。
植物工場市場は国内自給率向上、食品の安全性問題などから今後拡大すると予測されている。一方で、制御装置など各社が独自仕様で製造するケースが多い。この対策として昨年、施設園芸・機械14社が「スマートアグリコンソーシアム」を発足させるなど、先進的なビジネスモデル確立に向けた取り組みが始まっている。
農業問題は国内に限らず世界的に多くの課題を抱えている。プラントエンジ業界は、さまざまな装置や機器を組み合わせ、最適な生産プロセスを実現することが得意である。植物工場はこの技術蓄積を生かせる分野である。海外市場を開拓して世界の食糧問題解決に貢献することを期待したい。