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米国シェール由来エチレン 計画遅延の懸念浮上
労働者不足と建設費高騰
【ヒューストン=佐藤豊・渡邉康広】シェール革命による米国のエチレン新設計画は、当初予想より遅れるとの見方が強まってきた。建設労働者の不足や建設費の高騰などが背景で、現在進められている石油化学プロジェクトにも遅れが生じている。15件以上計画されているエチレン新設計画のうち、2020年頃までに完成するのは5〜6件にとどまるとの見方もある。エチレン原料となるエタンはシェールガス・オイルの開発とともに増産が進み、余剰感が一段と高まる見通しだ。【下表・主なシェールガスのエタンクラッカー新増設計画】
※開発業者が囲い込み※
米国ではシェールガス・オイルやタイトオイルといった非在来型資源の開発業者が労働者を高い賃金で囲い込んでいるため、大型エチレン建設計画では労働者の確保が大きな課題となっている。建設資材や機材などもひっ迫感が高まり、大型エチレン計画が集中する今後数年間は価格高騰が見込まれている。
こうしたなか、米国ではシェール革命を背景とした安価なエタンを原料とするエチレン設備の新設計画が件以上アナウンスされている。すべての計画が実現した場合、米国のエチレン生産能力は既存能力の約4割に相当する年産1500万トン程度増加する。
すでに建設許可が出ているシェブロン・フィリップス(テキサス州、年産150万トン)、エクソンモービル(テキサス州、同150万トン)の計画は17年頃、間もなく建設許可が出ると見込まれるダウ・ケミカル(テキサス州、同150万トン)の計画は18年頃の完成が予想されている。このほか、サソール(ルイジアナ州、同140万トン)や、オキシデンタル・ケミカル(テキサス州年産54・5万トン)の計画は20年までに完成する見通し。
一方、その他の計画の多くは20年頃までの完成を目標とした場合、建設費高騰や動労者不足など理由に実現が難しい状況だ。
07〜08年にエチレン新設計画が集中した中東地域では、インドなど海外から労働力を大量に投入したが、それでも人員不足は解消できなかった。海外から大量の人員確保が難しい米国では、エチレン大型プロジェクトが集中することで極度の労働力不足から建設計画が遅延する懸念が強い。
今後参入を目指すブラスケム、タイ石油公社(PTT)、サウジ基礎産業公社(SABIC)、ハンファ、SKといった米国に強い基盤を持たない外国企業は許認可などを含めて早期実現が難しいとの声がある。
※エタン一段と余剰も※
一方、米国におけるエタンの供給余剰は一段と拡大する見通し。すでに米国におけるエタン価格は需給軟化を受け1ガロン当たり20セント台と歴史的な安値で推移しており、天然ガス価格を大きく下回る。エタンの生産量はシェールガス・オイルの増産とともにさらに拡大するため、大型のエチレン新設計画の遅れはエタンの余剰感に拍車をかけることになりそうだ。
(了)