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2013年10月30日 前へ 前へ次へ 次へ

期待したい医療ロボットの開発会社

 さきごろ川崎重工業とシスメックスの共同出資により医療用ロボット開発に向けたマーケティング会社が神戸市の医療産業都市に設立された。産業用では世界をリードするわが国のロボット産業だが、医療用の企画や市場調査を手がける会社としては初めてという。輸入超過が続いている国内医療機器産業にあって、国産初の医療用ロボットが神戸から生まれ、世界へ飛躍することを期待したい。
 日本では自動車産業を中心に量産型の生産ライン向け産業用ロボットが早くから開発されてきた。現在、生産・稼働率ともに世界トップシェアを誇るロボット大国となっている。なかには人間顔負けの作業もこなすロボットも見かけるようになった。しかし安全基準が保守的でリスクを避ける機運もあって、医療や介護などサービス分野への展開は遅れている。
 一方で日本をはじめ先進国では高齢化が進み、介護関連の市場が急成長している。生活習慣病の増加による医療費高騰も社会問題となっている。また予防治療や個別化医療といった医療需要の増加や多様化も進んでおり、最適な治療法の選択や負担の軽減、医療費抑制を可能とするとして、早期発見・早期回復を目指す低侵襲治療による治療の最小化が挙げられている。こうした分野でのロボットの活用・貢献が期待されている。
 医療用ロボットとしては、内視鏡手術支援のダヴィンチや放射線治療装置のサイバーナイフなどが有名だが、すべて海外製であり、高価な点から導入している施設は限られている。医療機器を戦略産業に育成し日本経済再生の柱としたい政府も医療用ロボットへ大きな期待を寄せている。
 設立したメディカロイド社は、ロボット技術を保有する川崎重工と、検査・診断の技術、ノウハウを保有し医療業界に幅広いネットワークを持つシスメックスの合弁会社。すでに2012年度から研究会を立ち上げ、事業化へ検討を重ねてきたという。ともに神戸で生まれた会社同士であり、新会社も先端医療技術の研究開発拠点である神戸医療産業都市に拠点を置く点で共通項も多く早期のシナジー効果が期待できよう。
 当面はマーケティング、製品企画を実施し、15年春にも製品を具体化させて開発に移行する計画で、世界に発信できる国産医療ロボットを実現させる考えだ。共同開発は緒に就いたばかりで技術開発の課題は山積しているようだが、両社のバックアップはもとより、国も規制緩和などの支援が欠かせない。日本経済再生の切り札のみならず、世界の医療に貢献する事業の今後に注目したい。


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