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2013年10月28日 前へ 前へ次へ 次へ

人財は自ら発掘し磨き上げる努力を

 イチロー選手は4位指名だった―。毎年プロ野球ドラフト会議の前後に必ず紹介される話。複数球団に指名される有望株だったのに、プロ入り後はさしたる実績を残せなかった選手も多い。そんな何人かの名前が久しぶりにメディアに登場するのも毎度のことだ▼今年の一番人気は桐光学園の松井裕樹投手。5球団が競合、楽天イーグルスが抽選で引き当てた。上昇気流に乗る球団が逸材を迎え入れるのはいかにも収まりがいい。ファンは1年目からの先発ローテーション入りに期待を募らせる▼1964年の導入以来、ドラフト制度は度重なる設計変更を経てきた。一時期は逆指名やら希望枠やら怪しげな仕組みもあった。が、そもそも即戦力になるのはごく一部。選手の資質を見極める目と、入団後の育成力を各球団が競い合う形が望ましい▼優れた人材を他に先んじて数多く獲得したいのは、どんな組織にも共通する。大学生の就職活動、つまりは企業の採用活動が前倒しになってきたことにも同じような事情がある▼かつての日本企業は、時間をかけて新人を教育し戦力化した。いまは大企業でもそんな余裕はなさそうだ。その一方で、人材を人財と言い換えたりもする。一様に語れる問題ではないが、会社の財(たから)というなら、自ら発掘し磨き上げるのが筋というものだろう。


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