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2013年10月24日 前へ 前へ次へ 次へ

活況を呈するM&Aと浮上する課題

 中小企業のM&Aの仲介業務を手掛け、好調に業績を拡大している日本M&Aセンターによると、後継者不在企業から売却の相談は後を絶たないという。「アベノミクス」効果で資産価値上昇も手伝い、かつてないブームを呈しているという▼製造業を中心に会社をたたんでも借金が残り、従業員の退職金も払えず、路頭に迷わせる企業は多い。それなら企業を売却しようという選択になる。成長のために販売エリアの拡大、関連産業への展開を模索する買い手企業も増えている▼無視できないのは地銀や信金など地方の金融機関の危機感がある。地方経済の停滞が続き、健全な融資先は減っている。資金を国債で運用する比率は都銀に比べて圧倒的に高い。国債依存度を下げるために、M&Aで取引先企業の体質を強化したいという思惑もあるようだ▼日本経済の体質を強化するには企業の新陳代謝は避けられない課題。バブル崩壊後、廃業率が開業率を上回る状況が20年以上続いている。この閉塞感を打破しないと、日本は「異次元金融緩和」と公共投資だけでは浮上できない▼M&Aへの期待は膨らむが、一方でその失敗例も多いらしい。仲介機能は整備されても、買収した企業のマネジメントに関しては試行錯誤が続く。なんとなく、バラ色のはずだった結婚生活を思い出させる。


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