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重要性高まるASEAN+3の連携
今月10日、ブルネイで開催された東南アジア諸国連合と日本、中国、韓国の首脳会議「ASEAN+3」の席上、中国の李克強首相が打ち出したASEAN諸国への積極的な経済アプローチが注目を集めた。李首相は「1月-9月の経済成長率は7・5%超の維持」を強調するとともに、今年の経済成長の数値目標達成にも自信を示した。
李首相は、経済担当として不動産価格の高騰やシャドーバンキングなどの国内経済問題の解決に取り組んできた。経済成長を一定の範囲に抑え込み、不動産バブルを抑えつつ、穏やかな内需成長と経済のソフトランディングを重視する。その政策は「リコノミクス」と呼ばれ、経済格差の解消やアンバランスな中国経済の歪み是正を最重点課題に位置付けている。
そうした中、ASEAN+3に出席した李首相は、開催国のブルネイのボルキア国王をはじめ、各国の首脳と精力的に会談した。タイのインラック首相には中国の高速鉄道システムを自ら売り込んだ。さらに2000年から10年間が中国とASEAN諸国との貿易や経済交流が飛躍的に伸びた「黄金の10年」と総括して、「次の10年はダイヤモンドの10年」と連携強化を改めて訴えた。
ASEAN+3では、安倍首相と李首相との間で、関係改善につながる接触も期待されたが、そのような動きはなかった。領土問題が解決しない限り、首脳会談を拒否という姿勢を貫いている。
昨年の尖閣諸島問題以降、政治のみならず経済関係も冷え切ったままと称される日中関係。現在も凍結状態の政治情勢だが、経済活動は日系企業の投資や貿易など民間ベースを中心に着実に回復しつつある。13日に行われた中国税関総署の記者会見では「14カ月続いた対日輸出の減少傾向からプラス成長へと転換した。今年の下半期から日中貿易が好転の兆しにある」と、政府として公式に発表した。
中国が積極的にASEANとの関係強化に動き出したことが鮮明になった今、日中両国は、尖閣問題の一定の打開策を見いだしつつ、日中とASEAN諸国とのアジア域内経済交流拡大につながる、包括的な経済連携の枠組みを打ち出すべきではないだろうか。
ASEAN各国も中間層の所得増加と経済構造の高度化が確実に進んでいる。日中韓とASEAN諸国のみでも、巨大な域内ブロック経済が創出されることは間違いない。日中両国には領土問題という乗り越えるべき課題はあるが、ASEANを含むアジア域内の平和的な経済発展の実現には、日中両国が重要なカギを握っていることを自覚すべきだろう。