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好調な業績が続く欧米農薬種子企業
今年上半期(1-6月)の欧米農薬種子メーカーの業績が好調だ。欧米の上位6社はいずれも増収だが、とりわけモンサント、デュポン、ダウ・ケミカル、BASFの4社は10%以上の増収となった。牽引しているのは、アジア太平洋や南米といった新興地域の需要増。世界的な人口増加とそれにともなう食料需要の拡大で成長を続けている。将来は食料需要が拡大するアフリカもターゲットに入ってくるだろう。
今年は北米やブラジルでトウモロコシとダイズの作付けが増えている。ダイズはアルゼンチンでも増えたようだ。欧米大手企業は農薬と種子の両方を手がけており、それら作物の作付け面積の拡大は、農薬と種子の両方の事業拡大につながる。モンサントの売上高(12年9月-13年2月)は前年同期比17%増の84億1100万ドルで、このうち種子事業が61億100万ドルと約7割を占める。米国およびブラジルでトウモロコシの種子事業などが好調だった。農薬事業の主力である除草剤「ラウンドアップ」も全般的に伸びた。
ラウンドアップをはじめとするグリホサート系除草剤に関しては耐性を示す雑草も現れ始めているが、そうした雑草に効果がある既存の除草剤もある。バイエル クロップサイエンスは、米国に同社の除草剤「リバティ」の原体工場を新設し、供給を増やす。住友化学はブエノスアイレスに支店を設立し、除草剤「フルミオキサジン」の販売を強化する。今後の市場シェアの動向が注目されるところだ。雑草、病菌、害虫は農薬に耐性を示すものが現れる。農薬の開発はそうした雑草や病害虫との絶え間ない闘いともいえよう。農薬メーカーの研究開発力に注目したい。
さらに将来の市場拡大が望めるのがアフリカである。世界最大手のシンジェンタはアフリカでの成長を目指しており、ザンビアの種子メーカーであるMRIを買収した。20年までに同地域で10億ドルの売り上げを計画している。
日本においては農薬市場の拡大要因が見当たらないが、海外に目を向ければ成長産業であり、発展の可能性があるといえよう。日本メーカーの中にも海外で展開できる新しい有効成分を開発し、積極的に海外売上比率を高めている企業も見られる。だが、農薬事業は、売上高に占める研究開発費の割合が10%以上と高く、規模の大きい欧米企業のほうが有利といえる。日本は欧米ほど大胆なM&Aが進まないが、海外展開における戦略的提携など新たな枠組みをつくり、海外での存在感を高めることはできないだろうか。前向きな展開を望みたい。