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戦略事業に位置付ける医薬品エンジ
医薬品プラントエンジニアリング市場における先端分野の開発競争が激化している。成長領域であるバイオ医薬品、実用化が期待されるiPS細胞による再生医療分野などにエンジニアリング会社、総合重機系メーカー、ゼネコンなどが受注態勢を整備している。同時に、これまでの国内中心のビジネスから海外市場も強化しており、医薬品エンジをめぐる新しい動きが一段と加速してきた。
国内の医薬品プラント市場は、年間3000億円程度と推測されるが、高齢化社会による医薬品市場の拡大、先端医療領域の新薬開発を背景に製造設備の新設案件は増加傾向にある。
三菱化学エンジニアリングは、三菱ケミカルホールディングス(MCHC)のグループ企業や、大手製薬企業や後発薬(ジェネリック)企業向けエンジ事業を幅広く手掛ける。また、田辺三菱製薬がカナダのバイオ医薬メーカー、メディカゴ社を買収したことで、カナダに設置する新規ワクチン設備を担当、バイオエンジ事業に乗り出す。
東洋エンジニアリングは今年、バイオ医薬品の先端技術を保有する米ミドー社と業務提携した。微生物、動物細胞、ワクチンなどバイオ領域で豊富な知見をもつミドー社との提携で、バイオ市場に本格参入を狙う。
日揮は、医薬品エンジ事業で累計500件の受注実績を持つ国内最大手。とくに動物細胞培養を軸に新型ワクチン開発などバイオ医薬品に強みがある。今後は、iPS細胞を利用した再生医療分野を中心に高度先端領域で攻勢を強める。並行して海外市場も積極的に開拓する。このほど、シンガポールの設計・調達・建設(EPC)子会社が欧米の大手製薬企業から医薬品プラント周辺設備の受注に成功。これを契機に日系や欧米系だけでなく、ローカル製薬企業の新規受注につなげる。
千代田化工建設は、シンガポールの設計コンサルタント会社のトラクエ社と協業、アジア進出を目指す日系企業に現地情報を提供する。これに加え、独自の海外ネットワークを駆使し、顧客支援を充実させる。
IHIプラントエンジニアリングは、医薬品エンジの事業強化のために研究機能を担う横浜実験室に第2研究棟をオープンした。クリーンルーム対応の"医薬封じ込め実験室"と位置付け、ケミカルハザードなど先端技術を提案する考えだ。
国内の化学プラント市場が低迷する半面、医薬品プラント市場は安定した需要がある。新薬開発やバイオ医薬品の設備投資も活況を呈している。こうした市場動向をビジネスチャンスととらえ、新しい成長エンジンとなることを期待したい。