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2013年09月24日 前へ 前へ次へ 次へ

急がれるアジアの健全なLNG市場

 エネルギー・環境問題が世界規模で大きく変化し、液化天然ガス(LNG)政策の重要性が高まっている。原子力政策が不透明感を増す一方、北米のシェールガスが台頭する。世界的に天然ガス依存度が高まる中で、日本は価格競争力のあるLNGを安定的に調達できるかが問われている。
 天然ガスの生産・輸出国と消費・輸入国の官民の関係者が東京に集まり、「第2回LNG産消会議」が開催された。LNGを取り巻く環境は様変わりしているが、供給サイドから「LNG需要は2040年までに年間6億トン以上増加し、その約75%がアジア太平洋諸国向け」(エクソンモービル)、「世界のLNG需要は10年から30年までの20年間に年率5%増」(トタル)、「現在の供給能力に建設中のプロジェクトを足しても25年には1・5億トンの需給ギャップが生じる」(シェブロン)などの見通しが示された。
 この需要増を牽引するのはアジアの消費だ。高い経済成長から「今後20年間で倍増」をIEA(国際エネルギー機関)は予測する。アジア地区のもう一つの課題は、LNG価格が石油価格連動になっていることで、シェールガス増産の恩恵を受けにくく価格が高止まりすることが懸念されることだ。
 とくに日本は原発稼働が厳しく制約され、化石燃料依存度が高まっている。日本エネルギー経済研究所によると、12年度のLNG輸入は前年比4・4%増となり、1次エネルギーの中で24%に比率が高まった。原発稼働低下を化石燃料で補ったことで、約8兆円の貿易赤字にもつながった。
 このまま原発低稼働が長期化すると、化石燃料依存が高止まりせざるを得ない。CO2の排出量が相対的に少ないLNGを日本が優先的に調達すれば「アジアプレミアム」が一段と進み、アジア諸国からも批判を受けることになる。供給サイドでは資本集約型のLNGプロジェクトは巨大投資が必要となるため、長期的な需要見通しがないと投資に踏み切れないという。
 今回のLNG産消会議で「国際LNG共同研究会」を発足させることが決まった。日本はこれまで韓国、インド、EUとの間で個別にLNGに関する共同研究を行ってきた。今回の研究会はLNG輸出国と輸入国の研究機関が集まり、理解や認識を深め、健全なLNG市場の発展を目的にしている。
 共同研究会は日本エネ研が主催、来年の第3回LNG産消会議までに2回開催する予定だ。中国の参加は明らかになっていないが、アジアのLNG市場の安定した発展のために積極的に参加を呼び掛けるべきだ。


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