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2013年08月19日 前へ 前へ次へ 次へ

3年ぶり増加見通しの無機薬品需要

 無機薬品の2013年度需要が3年ぶりのプラス成長となる見込みだ。日本無機薬品協会が策定した需要見通し(酸化チタンを除く)では、今年度の需要量(出荷量)を前年度比0・7%増とした。電子材料関連など全20品目中11品目で増加を見込むが、出荷量全体の4割近くを占める水処理用途のアルミニウム化合物が1%減少し、全体では微増にとどまる。内需主導の回復を見込んだものであり、これを確実にするには企業の不断の努力が不可欠となる。
 12年度の無機薬品需給は、最大用途の水処理関連が振るわなかったほか土木や電材関連も軒並み低調で、出荷量全体は前年度比4・9%減と2年連続で減少した。東日本大震災の影響や欧州不況なども響いた。13年度需要見通しには酸化チタン(12年度出荷量17万4360トン)が含まれないため単純比較はできないが、288万6533トンと、わずかながらプラス転換を予想した。
 この背景は、政府の各種経済見通しに裏付けられた内需主導の回復見込みにある。同協会の各業種別部会で策定した需要見通しでは増加11品目、横ばい4品目、減少5品目となった。
 増加品目をみると、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラスに用いられる炭酸ストロンチウムが27%増。そのほか電材関連に使われるフッ素化合物やバリウム塩類なども増加を予想した。また、触媒原料などに用いるモリブデン・バナジウムが12%増、加硫促進や塗膜強化に用いられる酸化亜鉛などもプラスを予想している。
 一方で、業界再編にともないクロム塩類が17%減、船舶塗料などに使われる亜酸化銅も造船業界の低迷から10%減を予想。メッキ前処理などに用いられる塩化亜鉛、前年度にプラス成長した活性炭も減少を見込んだ。
 円高修正にともなう国際競争力の回復も無機薬品需給に優位に働く。加えて、震災復興需要が本格化してくれば内需主導型の回復も確かなものとなる。
 かつて500万トンを超えていた無機薬品の国内生産量は、ITバブルの崩壊、公共投資縮減、リーマン・ショックを経て現在のレベルにまで縮小した。ただ、10年度に3年ぶりの増加を示した後2年連続で減少し、今年度に再び回復する動きをみれば、市場縮小は底を打ったともとれる。
 無機薬品は幅広い領域を対象に古くから化学工業の一翼を担い、近年では市場を牽引してきたIT分野や環境分野の需要に応えるかたちで付加価値を高めてきた。新市場の創出は容易ではないが、弛まぬ努力が付加価値となって新たな需要に結び付くと考えるべきだ。


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