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2013年08月16日 前へ 前へ次へ 次へ

石原産業によるシンガポールの酸化チタン撤退

 石原産業によるシンガポールの酸化チタン事業撤退は、デュポンが同事業を含む高機能化学品を再構築するというニュースとは別の意味で、業界関係者に驚きをもたらしたのではないだろうか▼デュポンの発表は意外という意味での驚きだが、石原産業のそれは、来るべきものが来たという重さが加わる。同社が酸化チタンを四日市で企業化した時は新規参入だった。当初の生産能力は国内需要の2倍。国内市場への影響を抑えるため、海外市場の開拓を余儀なくされたという経緯がある▼シンガポールで生産するという国内の同業他社では考えられない大胆な決断は、この歴史的経過がある。塩素法技術を採用、電解設備も自社で保有する。シンガポールでは数少ない無機のスペシャルティケミカルだ▼撤退の理由は経済問題ではあるが、背景には経済開発の潮流の変化がある。一つは資源ナショナリズム。原料となるチタンスラッグは、ここ数年で3倍前後に上昇している。もう一つはシンガポールを取り巻く経済情勢の変化だ▼米ドルをはじめ、多くの通貨に対してシンガポールドルは上がっている。さらに用役コストの上昇がある。とくに電力コストは日本より高いが、これといった対策は打たれていない。エネルギー多消費型産業が同国で収益を上げにくい構造がある。


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