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2013年08月08日 前へ 前へ次へ 次へ

社会問題化する老朽マンション

 空き家のまま放置され"幽霊屋敷"化した住宅が増えている。その原因に更地にすると、固定資産税が一気に高くなることがある。これほど目立っていないが、老朽マンションも問題になりつつある▼都心にマンションを所有する地方在住の知人は、長年空き室のまま放置してきた部屋を処分するために上京した。そして部屋に入った直後にパトカーが到着したという。長期間使われていなかっただけに、不法侵入ではないかと疑った近隣住民が警察に通報したらしい▼所有権や身元を証明して、ようやく理解されたようだが、長期に放置された空き家・空き室は周辺に不安を与える。1950-60年代に建築した初期マンションが建て替えの時期を迎えている。広大な敷地と容積率に余裕のある大規模団地は、追加負担なしに建て替え可能だが例外だ▼区分所有法も障害になる。緩和されたとはいえ、住民の5分の4の同意は容易ではない。規制改革会議で議論は始まったものの棚上げ状態という。日本でマンションが急増したのは75年あたりで、そろそろ40年を迎える。建て替えに代わる老朽マンション対策は急務である▼富士通総研の米山秀隆上席主任研究員は、証券化による区分所有権解消とリノベーションで再生して賃貸住宅化を提案している。官民で議論を深めたい社会問題である。


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