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用役コスト高に苦しむシンガポールの化学産業
シンガポール・ジュロン島の用役コストの高さは、製造コストの主要な部分を占める化学産業にとって新規投資をためらわせるほどの負担となっている▼この解決に向けてジュロン島に展開する日系化学企業が、政府に意見書を提出した。ジュロン島を石油化学集積地にするという政策は、金融業などサービス産業とともに製造業がシンガポールのGDPを継続して拡大するための重要な施策だった▼ジュロン島はASEANでも極めて高度な石油化学拠点となった。単一立地としてみれば群を抜く質と量を誇る。だが、用役コストは周辺国の2倍に跳ね上がり、企業を苦しめる。ジュロン島は成り立ちから7つの地区に分かれるが、用役の供給企業が地区一社ということで、競争原理が働いていないとの指摘がある▼政府も電力の自由化などを打ち出したが、効果が十分に発揮されたとは言えない。そうしたなかで注目されるのが潤滑油事業で世界的に大きなシェアを持つシェルなど3社によるトアス地区での潤滑油専門の工業団地の建設だ▼インフラの共有化が狙いだが、企業がまとまることで力を付ける例だ。用役購入を共同化することも必要になろう。予熱や余剰蒸気の相互融通などの拡大も見込めるだろう。政府の施策によるところが大きいテーマだが、"民に知恵あり"も重要だ。