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急務の環境・エネのR&D戦略再構築
日本の成長戦略として環境・エネルギー分野、いわゆるグリーンイノベーションが脚光を浴びて久しい。日本は基盤的技術で高いレベルを維持しているが、応用開発や産業化では外国に遅れるケースが目立つ。この原因として国の環境・エネルギー政策の混乱が無視できない。
科学技術振興機構(JST)は研究開発(R&D)の俯瞰報告書を作成している。この中で環境・エネルギー報告書では、技術的観点からの目標として、安定かつ経済的エネルギー需給を資源制約・環境制約の下で、安全に実現することに定めた。エネルギーの安定供給、経済成長、環境保全という「3E」の同時達成である。
しかし、民主党政権時代の「2020年の温室効果ガス排出量を90年比25%削減」という環境に過度な軸足を移した温暖化対策、11年3月の東京電力福島第1原発事故による原子力政策の混乱など、政府の環境・エネルギー政策は揺れ続けた。再生可能エネルギーの普及に向けた固定価格買い取り制度も、総合的環境・エネルギー戦略不在の中で走り出した感がある。
この混乱を反映して、JSTの環境・エネルギー俯瞰報告書では、原子力エネルギーに関する直接的言及を避けざるを得なくなった。基礎研究のみならず、グリーン産業に取り組む産業界にとっても、数字合わせの1次エネルギー構成比ではなく、国としての環境・エネルギー基本戦略の提示を待望している。これに基づいて、短期と中長期の課題を明確にしてR&D戦略の再構築が急がれる。
一方で当分の間、化石資源に依存せざるを得ないことは明らかだ。日本のエネルギー効率は2回の石油危機を通じて世界最高水準を実現してきたが、20年ほど前から伸び悩み傾向にある。電力への転換効率改善、石油精製や化学産業など製造業から輸送まで含めたエネルギー損失の低減も迫られる。ヒートポンプを活用した暖房や給湯など低位熱需要の拡大も急務だ。
中長期的なR&D領域としては、メタンハイドレート利用技術のほか、革新的な材料・プロセス・触媒を駆使した技術開発を期待したい。再生可能エネルギーではバイオマス、太陽電池の新たなブレークスルーが求められる。
日本は太陽電池など環境・エネルギーの技術開発で世界をリードした時期もあった。ただ異なる学問や産業の分野間連携が弱く、新技術創出では米国に比べ遅れがち。最近では、中国や韓国の後塵を拝するケースも増えている。アカデミアや産業界のR&Dや事業戦略が問われるが、先見性や一貫性のある政策の果たす役割も大きい。