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日本触媒 姫路での生産一部再開 池田全徳社長に聞く
完全復旧なお時間
地道に失地回復を
姫路製造所の爆発事故から8カ月が経過、日本触媒は今月からアクリル酸および高吸水性樹脂(SAP)生産を一部再開した。アクリル酸系を除きほとんどの製品が生産される状況となり、市場には安堵感が広がっている。しかし、残るアクリル酸およびSAP設備の再開は未定で、エステル類は稼働にいたらず今後の方策が打ち出せないでいる。姫路製造所の今後などについて池田全?社長に聞いた。
- 足元の状況は。
「5月末の停止命令解除を受け、6月10日に年産16万トンのアクリル酸設備を再稼働し、このうち6割をSAP向けに、残りはユーザー向けに供給を開始した。SAPは11日から年産12万トン相当を生産、同日にスペックインとなった。最新の8万トン設備は近く認可が下りる見通しだが、定修が近いため本格生産は7月下旬になるだろう。7月下旬にアクリル酸は年24万トン、SAPは年18万トン体制となる。一方、未稼働はアクリル酸とSAPの残りのほかエステル類で、解除時期が読めない。進行中の8万トン増設も防災対策などで工事が停止しており、完成は来春にずれ込みそうだ」
- SAPもそうだが、姫路はアクリル酸生産の3分の2以上を占めている。
「アクリル酸は年62万トンのうち46万トンを、SAPは年47万トン(今年限定の米国生産分を含むと51万トン)のうち32万トンを姫路が占める。アクリル酸は来年初めに姫路とインドネシアの増設分が加わり年78万トンとなり、そのうち姫路は54万トン。集中し過ぎの感は否めないが、その分優位となってきた。すでに土地もなく、8万トン増設後は両製品の増設はないため姫路はマザー工場の位置付け。増設はエステルなどアクリル酸チェーンに限られるだろう。アクリル酸、SAPの次期増設は海外か姫路以外の国内だろう。海外は市場、時間、コスト面から既存拠点、とくにアジアでの増設が有力。国内は川崎が最有力で、パイプラインでの原料調達は魅力的だ」
- この間、シェアを落とした。奪還は可能か。
「古くからの取引先は戻したいと言ってくれている。ただ、2社購買になった相手を再び弊社だけというわけにはいかないだろう。シェア奪還を急ぐあまり安易な値下げはしない。腰を据えて品質などのサービスで優位性、信頼性を認めてもらう以外はない。個人的には自信を持っている。購買先や供給先に多大なご迷惑をかけたが、現時点で損害賠償などの問題は起きておらず、大変有り難いと思っている」
- 姫路ではアクリル酸チェーン以外にも影響が出た。
「姫路は自動車用触媒や電子材料なども生産している。これらが事故の影響で稼働停止となり、電子式の倉庫などの積み出しもできなかった。今回、分かったことだが、製造所の電源がすべてつながっていた。2次災害を防ぐ意味もあり、電源が入れられなかった。今回の反省から危険物を取り扱う部分と電気系統を切り替えたりできるシステムへの指示を出したほか、ストックヤード機能を別の場所に設けることも検討、ユーザーと話し合っていく計画だ」
- あらためて保安への取り組みについて。
「事故の教訓を水平展開し化学産業全体に広げていければと思う。当然、保安に関する社員教育を再徹底していかなければならない。安全面だけの問題ではないのだが、最近、自分の担当範囲以外には関心がなく、他人任せという風土が散見される。いわゆる大企業病が事故の根底にある。自発的に取り組む企業風土の醸成に全力をあげていく」
(聞き手=野開勉)