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為替に影響されにくい事業戦略を
「アベノミクス」によって、産業界はこの数カ月、為替変動に一喜一憂という感じだが、為替の影響を受けにくい企業体質を構築することが肝要と言えるだろう。
経済産業省がさきごろ発表した産業活動分析(2013年1-3月期)によると、企業の想定為替レートを上回る円高が続いた10年8月と11年8月に同省が実施したヒアリング調査では、「採算が合わず、生産レベルを落として受注を絞り込まざるを得ない状況」「現在の円高では価格転嫁、円建て取引などもできないため、長期化すれば、取引量の減少や取りやめになるおそれがある」といった声が急増したという。逆に円高が進んだ今年1-3月期には「円安によって輸出採算性が向上し、価格競争力が回復している」「円安になり、今まで止まっていた引き合いやプロジェクトが動き始めている」といったコメントが聞かれたそうだ。
ここ10年程度の為替レート(中心相場)の推移をドル・円レートでみると、02年初めから05年初めまでは円高方向に推移、以降07年半ばまでは円安方向に推移した。その後は円高に転じ、リーマン・ショック後はさらに急速な円高が進んだ。11年7-9月期に1ドル=77・05円となって以降、概ね横ばいを続けた。しかし、昨年10-12月期には同88・67円、今年1-3月期は同94・75円となり、11年7-9月期に比べ20円近い円安に振れた。今年3月期決算における増益要因に、円安が寄与した企業も多かったのではないだろうか。
経済産業研究所の調査をもとに同省が行った試算では、円高局面においては、為替変動のうち3割程度は契約通貨建ての輸出価格に転嫁され、輸出先における競争力を低下させる。残りの7割程度は契約価格に転嫁していないため円換算した輸出価格を低下させ、収益を悪化させるという。逆に円安局面では、反対の現象が示唆され、企業業績を改善させることになる。
昨年12月以降、為替レートの円安方向への動きが続いていることから、外貨建ての輸出価格への還元によって、海外市場における価格競争力が強化され、輸出数量が増えることが期待されると指摘する。
化学産業においてもこの間、海外での製造販売のウエートを高めてきた企業が多い。そうした企業のトップからは、「もし(成長の見込めない)内需にだけ頼っていたら、大変なことになっていた」という声もささやかれる。為替の変動は企業の力だけではどうすることもできない。円レートの影響を受けにくい事業戦略を構築して着実に推進することが大きな経営課題になっている。