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2013年06月24日 前へ 前へ次へ 次へ

中国経産局の進める地域経済再生策

 「アベノミクス」効果によって、円高など六重苦問題の緩和が期待されているが、地域経済の直面する課題は山積している。個別企業の努力では解決できない厳しい問題も多いなかで、中国経済産業局は課題解決の方策を策定した。地域経済再生に共通点は多く、地方自治体とも問題意識を共有して挑戦してもらいたい。
 中国地区は自動車、鉄鋼、石油化学など有力製造業が集積する。関連する中小企業も多く、地域の雇用を支えてきたが、内需停滞の長期化に加え、環境・エネルギー政策混乱による負担も増している。
 中国経産局は地域経済再生に向けて(1)ものづくり産業の競争力強化(2)新興国など海外展開支援(3)地域特性を活かした新エネルギー・省エネルギーの推進(4)農業の成長産業化を通じた地域活性化推進の4点を取り上げ、今年度の取り組みを示した。
 岡山、山口に立地する石油化学コンビナートは、安価な原料を利用した海外コンビナートの新増設によって環境は一段と厳しくなっている。この対策として企業間連携などによる効率化が迫られ、汎用品に代わる高度部材開発が必要となる。「水島コンビナート国際競争力強化ビジョン」「次世代周南コンビナート形成基本戦略」が策定され、製造現場の中核人材を育成する「山陽人材育成講座」も開設されている。中国経産局は、これらの支援を強化する。
 自動車産業は地域の重要産業だが、カーエレクトロニクス化への対応が課題となっている。関連分野との融合を前向きに支援して先進自動車技術へ展開する。太陽電池では地域の部素材や電子デバイス、工作機械などの産業集積を活かして革新的次世代製品および関連産業の世界的供給基地を目指す。この技術蓄積を活用することで次世代印刷デバイス進出も期待できる。経産省のネットワークを使って他地域との橋渡し役も行う。
 このほか、中小企業が新興国市場を取り組むための調査、関係団体との連携、グローバル人材の確保や育成も重視する。地域特性を活かした再生可能エネルギー事業、生産拠点への省エネ設備導入やエネルギー有効利用支援にも取り組む。
 農業の成長産業化を可能とする農林漁業者と商工業者の連携、先端技術を活用した農業産業化などの旗振り役を務めて活性化に貢献する。
 国の出先機関のあり方が問われており、地方経産局も例外ではない。地域経済を支える企業、生産拠点との連携を強化して、その情報を経産省本体や政府の経済政策に反映させることも重要な使命となろう。中国経産局の取り組みに注目したい。


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