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注目したい東大阪市の住工共生条例
東大阪市が4月1日から新たな条例をスタートさせた。「住工共生のまちづくり条例」で、地域経済を支えるモノ作り企業と近隣住民との間で発生するトラブルを解決する目的で制定された。同市にとって、モノ作り企業は存立基盤であることを共通認識とする一方で、都心に隣接する住宅用地需要の確保にも配慮する狙いがある。近年は工場周辺まで宅地化が進み、古くから生産活動を行っている中小の工場が、近隣住民の苦情で肩身の狭い思いをしているケースが多い。高齢化や後継者問題から事業を辞めるケースは全国的に問題になっており、産業の根幹を支える中小モノ作り企業には厳しい時代だ。モノ作り東大阪市の取り組みが共生のモデルケースになってほしい。
東大阪市はモノ作り産業を中心に多種多様な中小企業が集積している。一方、大阪市内へのアクセスの良さ、工業地域または準工業地域という土地の安さもあって住宅用地としての需要が増加、現在は人口50万人を擁する住宅都市という側面も持つ。かつては工場周辺の住宅には地元企業の関係者が住み、臭いや騒音は折り込み済みであったが、企業と関係ない住民が増えるにつれ、苦情件数も増加するという傾向にある。
モノ作りに携わる事業者には、地域経済を支えているという自負がある半面、トラブルは避けたいという意識も強い。騒音を防ぐためシャッターを降ろすなどの措置を講じている。しかし住民にとっては何を作っているのかが分からず、移転も難しいため、臭いや騒音を我慢する生活を続けることとなる。日頃、交流がないため不信感が高まり苦情に発展しがちという。また、操業を中止している週末に現地を見学して、住宅購入を決めることも背景にある。
条例では、モノ作り企業の集積を維持するため、準工業地域のうちモノ作り企業の土地利用の比率が高い地域および工業地域を「モノづくり推進地域」に指定する。都市計画法に基づく特別用途地区等の活用とそのための必要な措置を講じる。また取り組みを支援するため「住工共生まちづくり協議会」を認定するとともに、推進地域を重点地区として支援する。
一方で住宅を建築する際のルールを設け、工業地域・準工業地域の住宅は宅地建物取引業者に説明責任を求めている。
大企業であれば、防音や臭気対策に対応できる体力はあるが、中小零細企業には死活問題となる。東大阪市をはじめ日本の産業の多くは中小モノ作り企業が支える。今回の条例は産業基盤である中小企業を支援する現実的な施策といえ、全国でこうした取り組みを期待したい。